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妄想小説@「ふわふわふんわり あなたのそばに」(大野智)

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前記事の詩

「ふわふわふんわり あなたのそばに」から繋がっているお話です。


http://ameblo.jp/see-la/entry-11555323006.html










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photo:07





ある日、あなたに恋をした。


「身体は見えない。
声だって、彼には聞こえない。
もちろん、触れることもできない。

それでもいいと思うなら、彼の元へ飛んでいきなさい。」


それでもいいって、私は思った。
大好きな彼の元へ

ふわふわふんわり
空の旅







そうして私は、彼のそばに舞い降りた。


photo:08



毎日忙しそう。

今日はどこに行くのかな。


名前は「智くん」
そう呼ばれていたのを耳にした。


何も望まない。
ただ、あなたの幸せを守りたい。










携帯のアラームが鳴る。

智くんはそれを止めて、また眠りについた。



photo:09





しばらくして、もう一度鳴る。

今度は枕の下に押し込んでしまった。



智くん、起きなきゃだめだよ!仕事じゃないの?


私は声をかけるが、聞こえるわけもなく…
それでも、頬に触れ、頭の上でポンポン跳ねてみる。

弾けてひらひらと舞う、私のかけら。
智くんのまつ毛に触れて、キラキラ光る。





起きて、仕事だよ。
遅れちゃうよ!


智くんが、突然むくりと起き上がる。
部屋をキョロキョロ…首をかしげる。

あっと叫んで、枕の下から携帯を探し出し、


「なんで鳴らないんだよ~っ!」


ってぼやいている。


ふふふっ、かわいい。
鳴っていたけど、智くんが止めたんじゃない?








急いで支度を始める智くん。
シャツをガバッと目の前で脱いだ。


わっ!

思わず、目を伏せる。

…あ、でも、見えないからいいのか…

ゆっくり顔をあげれば、パンツ一枚で、パンをかじりながらウロウロしている様子が目に入る。


「カギどこだ~っ?」


カギ、探してるの?
ここにあるよ。

ソファに置いてある、ズボンのポケットだよ。
私はズボンの上で、パチンと弾ける。


「お、ここにあったのか~っ、サンキュー!」


智くんはカギを見つけると、上着のポケットに押し込んだ。

サンキュー…?







photo:10







智くんは、深夜までずっと仕事。
家に戻ってくると、食事も取らずにソファに突っ伏して、そのまま寝入ってしまった。


大丈夫かな…?


服を着たまま、髪もセットしたままで、泥のように眠っている。





夜中に目が覚めた智くんは、ふらふらと冷蔵庫へ。

水を出すと、ぐいっと一飲み。
はーっと深く息を吐いた。


そしてそのまま、膝から崩れていった。

冷蔵庫の前で、荒い息をしながら倒れている。


私はすぐに飛んでいく。

具合、悪いんだ…
顔が赤い…熱がある。


不意に、助けて…と智くんの声が聞こえた気がした。



私はふんわり抱きしめた。

智くんを包む虹色の光。




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image




大丈夫、すぐに良くなるから。
大丈夫、大丈夫。






そのままどれくらいたっただろうか。


携帯が鳴る。
智くんは目をあけ、電話に出た。

「…はい、わかりました。」


すぐに起き上がり、支度を始めた。


熱、大丈夫?


「ああ、よかった…今回はさすがにまずいかと思った。」

元気になってよかったね。
ホッとしたよ。


「ありがとう。」


えっ?


智くんはキョロキョロと部屋を見回しながら、つぶやいた。

「どこ?」



…?
なに?


「どこにいるの?」


くるりと後ろを向いて、ふわっと笑顔になった。

「ここにいたんだ…。」

そう言って、智くんは私を抱きしめた。




うそ…!
なんで?


私を見つめて、笑いかけてくれる。

「いつもそばにいてくれてたんだね…。」




そうしてゆっくり唇が近づき、ふんわり優しいキスをくれた。





…うそっ…







「なんで…?」

私は、全くわけが分からないというように、首を横にふる。

「俺のそばにね、いつもいてくれてる気がしてたんだ…


photo:05





智くんはにっこり微笑みながら続けた。

「昨夜も助けてって、君を呼んだんだよ。」


あっ…
助けてって…あの時聞こえた…


「俺、君に会いたくて…願ったんだよ、会いたいって。


そうしたら、虹色に縁取られた君が見えた。」


その時、頭の中で声が聞こえたという。


「キスをすれば…ずっと一緒にいられるって。」

私の頬に手を伸ばす。
触れる手の温かさを感じて驚いた。



「あっ、私…



身体が…ある。
透明じゃなく、人間の、身体。



「身体が…なんで…



「理由なんて、どうでもいい。」

頬に伝う涙を手のひらで拭いながら、もう一方の手で髪を優しく撫でてくれる。


「あのさ、君に会うために、もう一つ条件があるって言われたんだ。」

「な…に…?」

涙がとめどなく溢れ、智くんの手を濡らしていく。


「今度はずっと…

驚く私の腕を引き寄せ、強くだきしめる。



「俺が君を守らなきゃいけないって。」




「…えっ…?」



「俺がキスをすれば、君はもう元の世界には戻れなくなるから…


「戻れない…。」



「そう、戻れなくなってしまったけれど…後悔してる?」


私は、首を横に振った。




「だから、もう、どこにも飛んで行くな。」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説




「今度は俺がそばにいて、ずっとお前を守るから。」

























眠るあなたの鼻先に
そっと優しくキスをした



今度はちゃんと温かい。



photo:03




ふわふわふんわり
ふわふわふんわり

ずっとずっと一緒だよ


あなたとともに


ふわふわふんわり

歩いていこう




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image









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