おはようございます。
一つ前の「31」のコメントが未だ反映されないままですが、「32」が書けましたので投入します。
いろんなことをぐるぐる考えていた頭の中も、きっちり整理がつき、今は楽しくお話を書いています。
いつも心配かけてごめんなさい。
ありがとう。
余談ですが、山田さんファンがたくさんいらして、何だか嬉しいです。
皆様は、どんな俳優さんをイメージして読んでくださっているんでしょうか?
よろしければ、そんなことも聞かせてくれたら嬉しいです。
はじめから
妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」①(大野智)
http://ameblo.jp/see-la/entry-11849983884.html
一つ前のお話
妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」31(大野智)
http://ameblo.jp/see-la/entry-11884884941.html
こちらのお話も、同時掲載中。
いずれは全文移動予定です。
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「好きで好きで、どうしても好きで。」(蒼月ともえ)
http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=1060025&c=n
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第32話
御礼を言って、タクシーを降りた。
まだ帰っていないと分かっていても、走り出してしまう。
ドアを開けて、電気をつける。
急いでキッチンに向かい、ご飯の準備をした。
なんでもいい。
とにかく作っておきたい。
カレーなら、嫌いな人はいないよね?
明日食べたっていいんだし。
そうしてできたカレーをテーブルに置き、今度はバスルームに向かった。
急いでシャワーを浴び、買ったばかりのコットンのワンピースに袖を通す。
髪を乾かし、ゆるくまとめた後、なんの手入れもしていなかった肌に水分を含ませ、唇にはリップを塗った。
やっと、女の子になった気がする。
この数日、いろいろなことがありすぎて、自分のことなど考える余裕などなかったから。
リビングに戻り、ダイニングテーブルの椅子に座る。
ご飯は食べてくるって言っていたけれど、あなたが帰るまで待っていよう。
時間は、23時を回ったところ。
部屋のものを弄ったり、テレビを勝手に見たりするのは、気が引ける。
辺りをジロジロ見たり、ウロウロし過ぎたりするのも悪い気がする。
あなたのテリトリーを、極力変えることのないようにしたい。
最低限のものは使わせてもらうけれど、それ以外のものは、なくても全然苦ではない。
だって、向こうでは、ほとんどなんにもなかったのだから。
何も無くても楽しく過ごせる術は、身についている。
待っている間に、何かできることはないかと考えた。
そういえばと、バックに入っていた作りかけのミサンガをとりだしてみる。
向こうにいる時、子どもたちとよく作っていた。
懐かしい色合いに、思い出す向こうの香り。
どんな模様にしようかと、あなたを思いながら編んでいく。
そうして出来上がる頃、ドアの鍵が開く音がした。
私は、作りかけのそれを机に置いて、リビングのドアを開ける。
静かに玄関のドアが開き、あなたが顔を覗かせた。
「おかえりなさい。」
声が弾んでしまう。
嬉しくて、たまらない。
私が歩み寄っていくと、あなたは驚いたような顔をする。
「あ、うん、ただいま。
お前…寝てなかったのか?」
仕事終わりのあなたを初めて見た。
いつもふわふわの髪は、ビシッと決まっている。
かっこよさ3割増し。
Vネックのシャツの首元が、やけに色っぽい。
どこを見ながら話したらよいのか、戸惑ってしまう。
待っていた分だけ、好きな気持ちが溢れてくる。
「うん、だって…一緒に寝るって約束だったから。」
「あ、ああ、そうだけど…こんな時間まで…。」
「…そう?でも、ちっとも眠くなかったから平気だよ。」
私は、あなたの後についてリビングに向かった。
あなたは、ドアを開けて急に立ち止まる。
「何?どうしたの?」
「メシも…食ってないのか?」
「あ…うん。あなたがまだだったら、一緒に食べようと思って。」
「…そっか…。」
あなたは私を振り返り、何か言いたげに唇を動かした。
「なに?」
「いや…なんでもない。…ていうか、その服…。」
「ああ、これ?今日買ってきたの。」
「雰囲気もなんか違うし…なんでスカート…。」
「…おかしいかな?」
「いや、なんか…こんな夜に、そんなお前見たら…俺…。」
そう言って、あなたは大きく息を吐いた。
頬を軽くたたいて、ごしごしと洗うような仕草をする。
「眠いの?」
「違うよ。
…メシ…食っていい?腹減ってんだ。」
「うん、もちろん。…こんな夜中にカレーだけどいい?」
「いいも何も、この匂いで腹の虫がグーグー鳴ってる。」
「温めるから、シャワー浴びてきなよ。そんなビシッと決まった髪じゃ、ご飯食べたらすぐ、眠れないでしょ?」
「うん…そうだな…なんか、頭冷やしたいし…。」
あなたは、もごもご言いながら、リビングを後にした。
私はカレーを温めながら、サラダを盛りつけ、フルーツを切る。
夜中なのに、こんなに食べていいのかな…?
芸能人だし、体重とか…やっぱり気にするよね?
明日は、夜中に食べても太らないメニューはないか、探しておこう。
シャワーから戻ったあなたの髪は、ふわりと降りている。
ボディーソープの優しい香り。
私はあなたを座らせ、温めたカレーをテーブルに置いた。
「ありがとう」と一言。
そののち、あっという間に一皿平らげてしまった。
空いたお皿を持ってシンクに立つと、背中越しにあなたの声が聞こえる。
「…家、明るいし、お前、起きてるし、なんか、俺、マジ、嬉しい…。」
外国人みたいなカタコトの日本語で話すから、思わず吹き出してしまった。
「もう、何それ、ちゃんと話してよ。」
そう言って振り向くと、すぐ目の前にあなたがいる。
「あ…の、ね、私がやるから…座ってて…いいんだよ…?」
あなたは、また一歩私に近付く。
「す…座ってて…。」
あなたの手が、スッと伸びて、私の頬の横で止まった。
「ふれてもいいか?」
「えっ?」
「お前に、触れたい。」
身体の中の血が、逆流し始める。
「…べ、別料金…だからね…。」
「ああ…分かってる。」
あなたの人差し指が、私の頬に静かに触れた。
そのまま横に移動して、私の下唇をなぞっていく。
「お前の唇が、あんまりきれいだから…。」
「…な、何言ってんの…。」
「じゃべらないで…そのままで…。」
あなたの指が、唇をなぞるたび、身体の奥が痛くなる。
唇の中心から、指は顎を通り、首を伝って降りていく。
首の根元、鎖骨の間に止まった指。
真っ赤な血が、ブクブク沸き立つような感覚。
「…俺のだって、ここにシルシをつけたくなる…。」
「えっ…。」
「冗談だよ。そんなことはしない。」
あなたの手がスッと開いて、私の頭の上にそっと置かれた。
ポンポンと軽くたたかれた後、「ありがとう」と言って、優しく髪を撫でる。
苦しいくらいに胸がギュッとなり、息をすることすら忘れてしまう。
「仕事してても、ずっとお前のこと考えてた…。また、会えてすごく嬉しいよ。」
あなたの瞳が優しく揺れて、すいこまれてしまいそうだ。
近づきたい気持ちを必死に制して、あなたに言った。
「あ…もう、寝たほうが…いいんじゃ…。」
「そうだな。、もう寝るよ。起きてたら悪さしちゃいそうだ。」
私は、シンクに向き直り、お水を勢いよく出した。
背後から、あなたの気配が消える。
心臓は、未だ大きく音を立てている。
あなたへの想いが、こぼれてしまいそうで怖くなる。
どうしたらいいか分からない。
分かるのは、ただどうしようもないくらい、あなたが好きだっていうことだった。
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「好きで好きで、どうしても好きで。」(蒼月ともえ)
http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=1060025&c=n
「好きで好きで、どうしても好きで。」(蒼月ともえ)
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ただし、あちらは小説を書く場所なので、画像はありません。
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感謝しています。
tomoe