まずはここから↓
あとがきにかえて:妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」(大野智)
http://ameblo.jp/see-la/entry-11888581505.html
全文こちらにあります↓おさらいしてね。
「好きで好きで、どうしても好きで。」(蒼月ともえ)
http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=1060025&c=n
※38まではアメブロにもあります。
38以降はにアメブロがバグったため、上記のサイトにて書いております。
色の変わったところをクリックすれば飛べます。
(アメブロではこのお話ののアップは予定しておりません)
アメブロではじめから
妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」①(大野智)
http://ameblo.jp/see-la/entry-11849983884.html
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(智サイド)
山田さんの乗ったタクシーが見えなくなった。
残された俺たち。
俺は、お前の手を強く引いて、この部屋に戻ってきた。
リビングで懐かしそうに部屋を見回すお前を後ろから引き寄せ、ポケットから取り出した天の川のバレッタを目の前に差し出した。
「お前にこれ、返しておくよ。」
お前は俺の方に振り向き、
「ううん、あなたがまだ持っていて。ずっと人質にしておいて。
そうしたら、私はずっとここにいられるから。
それに、あなたからもらった方は、もったいないからしまってあるの。
それは、私が自分で買った方だから。」
と言って、優しく目を細めた。
とても自然で、真っ直ぐな微笑みは、俺の心をキュッと掴んで苦しくする。
頬の愛しい窪みに手をやって、
「このへっこんでるやつ、すっげー好き。」
と、その柔らかな頬に唇を寄せた。
お前はくすぐったそうに、肩をすくめて
「好きなのは、これだけ?」
って、今度は恥ずかしそうに微笑むから、もうどうにもたまらなくなって強く抱きしめる。
「ん?いや、全部好きだ。お前が好きで好きで、たまんねーよ!」
そのままお前を抱き上げて、ギュッと力を込めた。
なんでこんなに好きなんだろう。
切なさに胸が突き上げられ、心が熱くてたまらない。
どうにもならない想いを、静かに置くように、お前のおでこに唇を寄せる。
たまんねーよ…マジで…。
ゆっくり唇を離して、お前の儚げな瞳を見つめれば、もう愛しさが溢れだして止まらない。
「本気のキス…しよう。」
お前は瞬きと一緒に小さく頷き、俺の首に手を回し、俺たちはそのまま深く唇を合わせた。
重ねては離し、角度を変えてまた重ねる。
そうして何度もキスを繰り返した後、ふとお前の顔を見れば、涙が頬をツーッと伝ってこぼれて落ちた。
「…ごめん、どっか痛かったか?」
お前は「違う」と首を振る。
「いっぱい…好きなの…胸が…苦しいほど…いっぱい…あなたが…好きだよ。」
涙を浮かべながら、微笑むお前が愛しくて、もうじっとしてなんかいられない。
「そのセリフ、ベッドで聞かせて…。」
「…バカ…。」
そう言って、耳まで真っ赤にして俺の胸に顔を埋めるお前を抱いたまま、寝室のドアを開ける。
お前を静かにおろして、包むように抱きしめながら、耳元に唇を寄せた。
「もう、チェックアウトの時間、気にしないでいいから…今日は…ずっと…。」
「ずっと…?」
「ずっと…泣いてていいよ…。」
そのまま耳にキスをすれば、お前の細い肩がびくりと震え、甘い声が小さくこぼれた。
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イラスト by wakame
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