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妄想小説@「夏の始まり」(大野智)

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追記  1:34




こんばんは。


そろそろ寝ようかと、もう一度来てみたら、深夜にもかかわらず、たくさんの方がイイねしてくださっていて…

という事は、みなさんもまだ起きていらしたんですね。



せっかく来ていただいているのに、コメやメッセでお話できないのが残念ですが、

私が言えることじゃありませんけれども、みなさんも無理しないで、早目に寝てくださいね。


このお話は、家ゴトの途中、息ぬきのつもりで書いたお話なので、ストーリーはかなり粗いですが、

読後は爽やかな風を感じられるようにと、書いたつもりです。


笑顔になってもらえたり、元気がでたり、また、よろこんでいただけたら嬉しく思います。



あ、もちろん、途中になっているお話も少しずつ書いています(^^)

「サクラ」も読んでくれてありがとう。



いつもありがとう。
感謝しています。




tomoe






…………








もしできたら、BGMは「夏の名前」でお願いします(=゚ω゚)ノ









…………

















社会人になって、二度目の夏休み。




去年は、夏休みと言っても、まとまってお休みすることができなかったから、
実家には帰れていなかった。




だから、夏に帰るのは久しぶり。




そんなこんなで、

ただ今、地元の仲間が集まって、実家の庭でバーベキューをしている。








「あっつー…。」



首にかけたタオルで汗を拭きながら、見上げる空は真っ青で、

いかにも「熱い夏が始まる」っていう感じ。


東京のくぐもった青とは違って見えた。








山の緑、セミの声。

宝石みたいに光る川。



吹く風も、風鈴の音も、ここにいるみんなとの友情も、


ずっとずっと変わっていない。









私は、少なくなった飲み物を足しに、家に入った。


外から私を呼ぶ声がするので、縁側に出れば、

「冷やしてあるスイカ、取りにいってくるねー!」

と、みんなが川の方を指差した。




私が「わかった」と頷けば、ヨーイドンで、一斉に川に向かって走っていった。


何年たっても、変わらぬみんなの無邪気さに、思わず笑みがこぼれる。









急に静かになった庭。

セミの声と風鈴の音だけがBGM。




氷を砕いて器にいれ、かき氷の準備を整えてから、縁側に出て外の様子を伺った。



まだ、みんなは戻ってこない。








私は、タオルケットを手に持って、

庭の木陰に置かれた椅子で、ぐっすり眠っている人のところへ向かった。




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大野くん。



今朝早くこっちについたと言っていたから、相当眠かったのだろう。


無理に来なくていいよと言ったのに、みんなに会うのは久しぶりだからと来てくれた。






同じ東京で働いていても、向こうで会ったことはない。




こっちにいたときは、仲間として、友達として、ずっと一緒だった。


けれど今は、こうしてみんなで会う時しか、顔を見ることはない。






「相変わらず…マイペースなんだから。」


大野くんの寝顔に向かって呟いた。




久しぶりに会っても、ちっとも変わっていない彼。


そんな大野くんが、ずっと好きだった。





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タオルケットをかけようと、身体を屈めて近づけば、

大野くんの唇に、綿毛のようなものがついてるのが見える。




取ってあげた方がいいよね…と、大野くんに顔を寄せ、




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フーッと息を吹きかけた。




綿毛は、フルフルと震えるだけで、なかなか飛んでいかない。



もう一度、今度は、少し強めに息を吹きかける。

それでも飛んでいかなくて、もう少し顔を近づけた。






もう一度、

もっと息を吸い込んで、綿毛を見ながらフーッと吹くはずが、




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あと少しで唇に触れる距離にいる自分に気がついて、一気に鼓動が速くなる。


身体は硬直して動かないのに、心臓だけが、異常に動いている状態。








友達でいられればいい。


だから、昔も今も、声に出して告白なんてする気はない。



する気はないのだけれど、こんなに近くにいれば、どうしたって、好きな気持ちが溢れてしまう。




…だから…神様、一度だけ…








私は、衝動のままに、ゆっくりと顔を寄せていく。




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もう、自分の心臓の音しか聞こえない。





大野くんの寝息が、私の唇にかかる。



ぎゅっと目をつぶった。














でも…それ以上はやっぱり無理。



「…できないよ。」

ってつぶやいて、そっと離れようとしたその時、







大野くんが、 私の腕をぎゅっと掴んで強引に引き寄せ、

ぶつかるように胸に飛び込んだ私を、息ができないほど強く抱きしめた。



「ばか!できねーのはこっちの方だ。もう、寝たふりなんかできねーよ。」





私は、必死に頭を働かそうとするも、この衝撃ですべての回路が壊れてしまい、

ただただ、呆然と抱きしめられているだけだった。





「ずっと、こうしたかった。けど、友達でいられなくなるのが怖くて、できなかった。」





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「でも、もう、我慢の限界。
友達じゃなくていい。嫌われてもいい…それでも、たまらなく、お前が欲しい。」







風が止み、時が止まった。



優しく重なる唇の感触に、身体中がビリビリと痺れて、頭は真っ白になる。




こんなキス…ズルいよ。

好きが溢れて涙になって、頬を伝って流れて落ちた。








「あー、やばい…俺、お前のこと、もっと好きになっちまった。

だから、さっきの訂正。嫌いになられたら、生きていけねーかも。」







「…嫌いになんか、なれるわけないじゃない。」



みんなのはしゃぐ声を遠くに聞きながら、
今度は私から、唇を寄せた。









熱くてうだるような私たちの夏は、まだ始まったばかり。

















~end~






朝にアップしようと書いていたんだけれども、

夜の方が幸せな気持ちで眠れるかなーって思ったので、


深夜ですが、アップさせていただきました(=゚ω゚)ノ





おやすみなさいラブラブ


いい夢を!

































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