妄想小説@「愛念」①はコチラ
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初めていらした方は、第一話から読んでみてくれると嬉しいです(´∀`)
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気付いたら朝だった。
隣を見れば、静かに寝息を立てる先輩。
朝の光が、先輩の長い睫を縁取って輝いていた。
昨夜のことを想う。
伝わる鼓動が重なって、一つになれた。
重なる温かさに心まで満たされていった。
私をこんなにも愛してくれて、こんなにも求めてくれる。
来てよかったと、心から思った。
「さ…とし…先輩…
先輩の耳に唇を寄せた。
「…ん…
ゆっくりと目を開ける先輩。
「ナナ…おはよ…
そう言って、ふわっと微笑む。
私の髪に触れ、そっと撫でてくれた。
「おはようございます…
自分で起こしたくせに、なんだか急に恥かしくなる。
「こっちおいで。」
先輩は私をギュッと抱きしめる。
朝の光で、室内は明るい。
自分の今の姿を想像すると、恥ずかしくて体が火照ってしまう。
「お前、あったかいな。」
そんなこと言うから、余計に熱くなる。
「今何時だ?」
先輩は携帯を手に取って、時間を見た。
「6時…あと、30分か…
そう言うと、私をギュッと抱きしめ直した。
「このまま、あと30分、くっついてて…
「あ…でも、ご飯…
私は、朝食を作りますと、先輩に言った。
「メシなら…これがいい…
そう言って、指で私の唇をなぞった。
「俺の朝メシ…
先輩は私の顎に指をかけ、そっと口づけた。
身体の熱が一気に上昇する。
唇を離して、私を見る。
「…おかわり…していい?」
私の返事を待たずに、先輩はもう一度唇を重ねる。
唇から身体全体に、キュンとした痺れが走り抜けていく。
「ナナは?
「えっ?
「だから、朝メシいらないの?」
「…朝ご飯…ですか?」
「そう、…これ。」
先輩は自分の唇を指差した。
「欲しかったら、ナナから食べて。」
いたずらな微笑みを私に向ける。
「え…もう、何言ってんですか…
私はドギマギして、先輩から視線をはずす。
「いらないの…?」
そんな目で見つめないで。
胸が苦しくなるよ、先輩。
「…欲しい…です。」
私は、震えながら唇を寄せた。
「先輩の…いじわる…
「…すっごい恥かしいんだから…
私がそう言って下を向くと、「ごめん」と小さく一言。
「ごめんな、わがまま言って困らせて…俺…自信ないんだ…
「ナナが俺のこと…本当に好きなのかって…不安で…
だから、こんな風に確かめてしまうんだろうな…ごめん。」
先輩の言葉にびっくりして、私は慌てて謝った。
「ごめんなさい。
そんな…自信ないのは、私の方です…先輩は、ほんとに私なんかのことが…って…
胸がいっぱいになって、涙がにじんでくる。
「俺は…お前だけしか見えないよ…
先輩は、私の髪をゆっくり撫でながら、でも…と小さくつぶやいた。
「ほら、あのとき…彼氏とさ、もう一回付き合うって…言ってたよね…こんなとこにいて…大丈夫なの…もう、いいのか…?」
ああ…あの時のウソ…
先輩を守るつもりでついたウソ…のこと?
「俺…もし、お前がまだ…あいつのこと…
先輩が言おうとしていることが分かった。
私はその言葉を遮るように言った。
「違うの、先輩!違うよ、あれはウソだよ、みんな、全部ウソなの!」
「えっ?…ウソ…?
「そう…私、先輩を守ろうとして…でも、全然守れなかったけど…こうすることが、いいって勝手に判断して…勝手に…勝手に…
涙が溢れて頬を伝い、想いが溢れて言葉に詰まる。
「ばかっ!」
先輩が私を強く抱きしめた。
「お前、なんでそうなんだよ…お前のことは俺が守るから…もう、勝手なことすんな…
私は先輩の胸の中で頷いた。
「もう、俺だけ見てればいいから…な?」
「…はい…
「もう、どこへも行くなよ…
「…はい…
先輩は「よし」って言って、私の顔を覗き込んだ。
「ナナ、俺のこと好きか?」
私は頷いた。
「ちゃんと言って。」
「智先輩のことが…好きです。」
「もう一回。」
「大好き…。」
「もっと。」
「先輩だけが…先輩が…大好き!」
私は、先輩にしがみつくように抱きついて泣いた。
「ウソついて…ごめんなさい…」
先輩は私の背中をさすりながら、あたたかな優しい声で私に言った。
「俺も、お前が好きだよ。」
私をきつく抱きしめながら、囁くように好きだと繰り返す。
「ナナ、お前だけしかいない…怖いくらい好きだよ。」
「こっち向いて…俺の方、向いて…
私は、先輩の方を向いた。
先輩は、私のおでこにそっと唇を寄せた。
「お前の…目も、鼻も、口も、耳も…ほっぺも髪も…
そう言いながら、私の身体の全てに唇を落としていく。
「肩も、首も、腕も…胸も、お腹も…足も…ここも…全部…
最後にギュッと抱きしめて、「愛している」って言ってくれた。
「どこにいたって、何をしていたって、ナナをずっと想っているから。」
そうして交わした口づけ。
幸せで幸せで…涙が溢れて止まらなかった。
「もう、仕事行く時間になっちゃった…。」
「ん…
「待ってて、急いで帰ってくるから。」
「はい…あの…何か食べたいもの…ありますか?」
「ん~…クリームシチュー!」
「ふふふ、はい、分かりました。作っておきますね。」
先輩は、すぐに帰ってくるからと言って、弾むように部屋を出ていった。
窓から先輩に手を振った。
笑顔で手をあげて、走っていく先輩。
私は、空に浮かぶ雲を見つめて微笑んだ。
誰かを想うこと。
誰かを信じること。
人を好きになるって、ほんとにステキ。
いつもと変わらぬ景色も、輝いて見える。
愛してるって大声で叫びたい。
私、今、とっても幸せです。
先輩、早く帰ってきてね、クリームシチュー作って待ってるからね!
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輝いたのは鏡でも太陽でもなくて 君だと気付いたときから
あの涙ぐむ雲のずっと上には 微笑む月 Love storyまたひとつ
傷ついた夢は 昨日の彼方へ
空に響け 愛の歌
思い出ずっと ずっと忘れない空 ふたりが離れていっても
こんな好きな人に 出逢う季節二度とない
光ってもっと最高のLADY きっとそっと想い届く
信じることがすべて Love so sweet
伝えきれぬ愛しさは
花になって 街に降って
どこにいても君を'ここ'に感じてる
思い出ずっと ずっと忘れない空 ふたりが離れていっても
こんな好きな人に 出逢う季節二度とない
光ってもっと最高のLADY きっとそっと想い届く
信じることがすべて
明けない夜はないよ
信じることがすべて Love so sweet
嵐 「Love so sweet」