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小説@「バカなやつほど、好きになる。」10

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小説@「バカなやつほど、好きになる。」⑨





こんばんは。






昨夜、
⑨を書いてアップして…


そのまま、ずーっと書いて、
書いて、書いて、書いていたら、10も書けたので、さっさとアップします。





そうそう、⑨話を別の展開五本書いてボツって書いたら、結構驚かれてしまいましたが…私、だいたいいつもそんな感じですf^_^;)


で、ノッてますねって言われるんですが、確かに楽しいけど、

ノッてるからといって、いいものが書けるかどうかは別ですから、

すんなり書けてるかと言えば、そうではないですf^_^;)



言葉一つ、何度も何度も書き直します。



でもそれが、すごい大変そうに見えるかもしれませんが、
私は、この試行錯誤してるときが、一番楽しいです(^ ^)


いろいろやってると、心情、言葉、意味、様々なことがビタッとハマる瞬間があって、

その突き抜ける快感みたいなのが、楽しいから書いてるようなもんです(^ ^)


だから、心配しないでね。
好きでやってることだから。


その好きなことを、みなさんと一緒に楽しむことができて、すごく嬉しいです。







で、あれですよね、

そろそろ、みなさん、辛すぎるのもいい加減にしろーーって感じですよね。







……(・_・;









あ、あれですよ、



多分みなさんは、いろいろな方のお話を読みに行かれているんでしょうから、

そちらでドキドキラブ注入ドキドキしていただいて、



うちではたっぷり苦しんでください



うちはおつまみ程度、珍味として読まれるのが良いと思われますー






もう、独自路線突っ走りー

ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

















そんな、珍味ブログですが、

ほんとに、ほんとに、みなさんのお言葉が励ましになって頑張れています。




ありがとう。












……………第10話











「真歩ちゃん!」




名前を呼ばれて顔をあげれば、目の前に心配顔の亮太がいる。



なんで…いつの間に…?



私は、涙でぐちゃぐちゃになった顔を、あなたの香りのするシャツで拭った。




「兄ちゃんが帰ってきて、俺にすぐに行けって。
真歩ちゃんが、お腹痛くて泣いてるからって。」





私が…お腹痛くて…泣いてる…?

泣いてる…って、なんで…あんたが…?




「きっと、俺の風邪がうつったんだよね。
ごめん、真歩ちゃん。
立てる?」



亮太は、「つかまって。」と、私の前に手を出した。


わけもわからないまま、その手を掴んで立ち上がると、泣きすぎたせいで、頭がぼーっとする。


私、どのくらい泣いていたんだろうか…





「ちょっと、時計、見せて。」



亮太の腕時計を覗き見ると、家を出てから30分以上経っていた。


10分…いや、それ以上ここで泣いていたんだ、私…。









「歩ける?」



亮太に頷き、一歩踏み出せば、足元がおぼつかなくて、たおれてしまいそうになる。




「危ないっ!」




亮太は、咄嗟に私を抱え、自分の方へと引き寄せた。




「真歩ちゃん、大丈夫?俺が支えてるから、しばらく休んでいいからね。」




「あ、だ、大丈夫だよ、歩けるから。」



「…いいから、たまには俺を頼ってよ。」






優しい亮太。

こんな私を、本気で心配してくれている。




でも…




「亮太、ありがとう。もう、大丈夫だから、離して。」



そう言ったはずなのに、亮太は答えず、もっと強く抱きしめてくる。





「…亮太…痛い…よ?」





私は、あまりの苦しさに顎をあげ、あえぐように息をした。



ふと気がつけば、亮太の顔が近い。
あと数センチで唇が重なる距離。




「…りょ…亮太…離して。」











「…やだ。」




「…えっ?」



スイッチの入った亮太の真っ直ぐな瞳が、私を捉えて離さない。



「やっと、真歩ちゃんが俺のになったんだ、絶対離さない。」




より一層強く抱きしめられて、顔を下に戻すスペースもない。

私は、亮太の呼吸を感じる距離で、あえぐように息をするしかなかった。





「…ああ、もう、だめだ。

真歩ちゃんとの最初は、もっとちゃんとしたいって、ずっと考えていたのに…。」




大人になった亮太の大きな手が、私の頬と顎に添えられて、一ミリたりとも動けない。




「好きだ。我慢できない。」






「あ、えっ、ちょ、ちょっと、ま、まって……っ、んー…っ…ん、ん……















そして、



亮太は私にキスをした。











ああ、これが、23年間取っておいた、初めてする大人のキス。





映画みたいな王子様を待っていたわけじゃない。


けれど、それでもやっぱり最初のキスは、一番好きな人とするんじゃないかって、心のどこかで思ってた。




夕暮れの海辺とか、夜景の綺麗な公園とか、高原の小さなチャペルで とか、



{F46E9B9C-CE12-4048-A606-5BA7E62EB629:01}











それが


わけもわからず、目を開けたまま、今はまだ 弟にしか思えない人と唇をあわせている。

















風が木立を揺らし、ザーッと音を立てて通り過ぎて行った。


販売機の白い光。

亮太の向こうに見える空には、静かに星が輝いている。












…酷いこと言ってごめん。



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今は、あなたの気持ちが、手に取るように分かるよ。










亮太の唇が離れると同時に、私はゆっくり瞬きをする。



「ま、真歩ちゃん…俺…。」



息が上がっている亮太。

目が合うと、気まずそうにしながら、何度も何度も私に謝った。



「…ごめん、なんか、もう、どうしても…ごめん、ほんとに、ごめん。具合悪いのわかってるのに、なにやってんだろう。ほんとにごめん。ごめんね。ごめん。」




私は、笑顔を作って亮太に答えた。



「大丈夫だよ。ちょっと驚いたけど。」


一生懸命な亮太の姿を見て思う。
あなたの大切な亮太は、私も大切だから…



「…あのさ…亮太は、私と…して、幸せ?」



亮太は、ちょっと驚いたように私を見ると、にっこり笑って嬉しそうに応える。


「あったりまえだろ?幸せに決まってる!
真歩ちゃんとキスして、幸せじゃないやつなんているわけない!」



だからあなたの言うように、
相手が幸せならば、自分の心なんかいらない。




「そっか…それなら、私も幸せだよ。」



「ほんとに?俺、真歩ちゃんのこと、めちゃくちゃ大切にするから、絶対絶対離さない。

…ねえ、もう一度、抱きしめていい?」




「…うん。」



亮太は、もう一度私を強く抱きしめる。



「ねえ、もう一度…キス…したい。」




「…ん…いいよ。」



私は目を閉じ、亮太に身を委ねた。







もう、知る必要なもない。

私が泣いてたのを、あなたがどうして知っていたのかを。













続く

…………






イラスト W*(原画は一話にあります)

Photo  tomoe



コメントの際、
先読み(きっとこうなるんじゃないか?など)は
しないでいただけるよう、お願いします。












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