こんばんは。
一つ前の記事、「愛念」あれこれ にもたくさんのコメントをありがとうございました。
結局、夏休みの子供ゴトに追われ、お返事も少ししか書けませんでした。
ごめんなさい。
先ほど子供が寝て、お返事を書こうかお話を書こうか迷って、お話を書かせていただきました。
いつも不義理でごめんなさい。
お返事を書かずにお話を書くことは、非常に心苦しいのですが、どうかお許しください。
※アメンバー様への連絡を、この記事の後ろにあげてあります。
お時間のある時に、目を通してくださいますようお願い致します。
妄想小説@「愛念」①はコチラ
http://ameblo.jp/see-la/entry-11557388231.html
初めていらした方は、第一話から読んでみてくれると嬉しいです(´∀`)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なあ…覚えてる?前にも、こうしてナナを抱きしめたこと…。」
先輩が耳元で囁く。
「はい…覚えています…
あの日のことが鮮明に蘇る。
「…ナナはさ…自分がどれほど魅力的かってこと…全然分かってないんだよ…
先輩は私の首筋に唇を寄せる。
「魅力なんて…ない…です…
「ううん…すっげーいい女…
噛んだりキスしたり、キスしたり噛んだり…
ゆっくりとしたその動きに、反応する私の身体。
「…心配なんだ…
エプロンの肩ひもが、肩から滑り落ちる。
「お前にかなうやつなんて…やっぱりいない…
後ろから回された手が、ワイシャツのボタンに触れる。
「こっち、向いて。」
私は先輩の方に振り向いた。
「ナナ…
強く唇が重なる。
「ん…
応えられないほどの深く激しいキス。
「だめだ、俺…ナナが誰かに取られるんじゃないかって思うと…
もっともっと激しさが増してきて、息もできないほど。
どうしたの、先輩…?
私、どこにもいかないよ…
「あの時も…ほんとに不安だった…
かき回されるような激しいキスは、先輩の気持ちを代弁しているようだった。
今日は部活のみんなで、花火大会に来ていた。
女子は強制的に浴衣って言われたから、私も浴衣を着てる。
お母さんに着付けてもらって、髪をアップにして…少しだけ色のついたリップをぬって待ち合わせの場所についた。
まだ…誰もいない…
待ち合わせの場所に早く着いた私は、友達に連絡を入れようと携帯を取り出した。
あ…充電切れそう…
今着いたよとメールを入れ、受信メールを開こうとした時に、携帯の電源は落ちてしまった。
まあ、いっか…
携帯をバックに入れて、歩いてくる人を眺めていた。
おかしいなあ…みんな、なんで来ないんだろう…
集合時間になっても誰も現れないことに不安になる。
もしかして、集合場所が変更になったとか…
さっき開けなかったメールに書いてあったのかも。
でも、どうにもしようがない。
河川敷で、コンビニなんか見当たらない。
充電器も買えないし…ただひたすらみんなを待つしかなかった。
集合時間を10分、20分と過ぎ、30分を過ぎたころ、「お待たせ」と声をかけられた。
振り向けば見知らぬ男性。
「君、ずっと一人だよね?もう来ないんじゃない?」
「えっ…
「俺と行こうよ、花火。もうすぐ始まっちゃうよ。」
手首を掴まれ、急に怖くなる。
「いいです、みんな来ますから。」
「大丈夫、花火見るだけだから。」
そうして引きずられるように、道を歩き始めた。
「離してください。」
「もう誰も来ないって。」
歩いているうちに花火が始まった。
周りの人は皆、上空を見上げ花火に夢中になる。
私の叫びは花火の音にかき消され、人々の注目さえ得られない。
「もっとこっちの方が見やすいから。」
そう言われて、グイグイと人気のない方へと引っ張られていく。
「ナナッ!」
私は引き寄せられるように、後ろから抱きしめられた。
「なんだお前?」
「こいつのツレだ。」
そう言って、私の手首から男の手を引きはがした。
「はぁ?ツレ?どうせお前もこいつ狙ってたんじゃねーの?ほんとにツレなら証拠見せろや!」
先輩は男と私の間に割って入る。
「…見てろ!俺たちの邪魔すんじゃねーぞ!」
そう言って、先輩は私の顎に手をかけた。
小さな声で「振りだから」そう言って唇を寄せる。
男からはキスしているように見える角度で…
「マジ、ムカつく!」
そう言って、男は去っていった。
人気のない場所で、残された先輩と私。
先輩の唇との距離…およそ3センチ…
息が…できなくて…どうしたらいい…
心臓が壊れる。
瞬きすらできない。
「ぁ…あの…
絞り出すようにして、声を出した。
それでも先輩は動かない。
「もう…
先輩の息がかかって、頭がクラクラしてくる。
こんな近くで…まるで本当にキスされてるみたいで…
「ん…?ああ…。」
ようやく離れる先輩の唇。
はあ~っと息を吐き出した。
吐きすぎて、咳き込んでしまう。
「あ…あり…ゲホゲホ…がとう…ございま…ゲホゲホ…した…
先輩は、私の背中をトントンと叩きながら話しはじめた。
「お前…こんなとこで何してんだよ…
怖い顔。
怒ってる。
「…はい…橋の…橋にいたんですが誰も…いなくて…
「メール見てないのか?場所、変更になったんだぞ!」
強い口調で怒られて、身体が縮こまる。
「はい…充電切れちゃって…
私の答えに、先輩の声が和らいでいく。
「はあ…だから、繋がんなかったのか…着いたってメールは来てんのにどこにもいないから…みんな心配してお前を探してたんだぞ。」
「すいません…。」
「いいから…手、見せてみろ。」
男に掴まれていた手首が、赤く輪になっていた。
先輩はそれを手のひらでこする。
「こんなに赤くなるまで…あいつ、今度見かけたらぜってー許さねー!」
「…すいません…私がちゃんとしてれば…
「もう謝んな、お前は悪くないから。」
そう言って、私の頭を2度ポンポンと叩いた。
「でも、よかった…マジで…
いつもの優しい表情で、私を覗き込む。
「もう…心配させんなよ…俺…お前のこと心配でたまんねえよ。」
私は申し訳なくて下を向いた。
「てかさ…そんな格好してるからだよ。」
「えっ?」
「…浴衣。」
「だって、女子はみんな浴衣だって…。」
「そうだけど…お前…自分のこと鏡で見たか?」
「見ましたけど、何か…?」
「…うるせーな、もういいだろ?」
「ええっ、先輩が言ってきたんじゃないですか?」
「ほら、行くぞっ!」
先輩はスタスタと歩き始めた。
「あっ、はい。」
私も急いで着いていく。
しばらく歩いてみんなのいる場所に合流。
やっと落ち着いて、花火を見ることができる…はずがなかった。
落ち着いて花火なんか見ていない。
見ていたのは…隣にいる先輩の横顔。
赤や青や黄色に縁どられる、きれいな横顔。
不意に先輩がこっちを向いた。
視線がぶつかり、激しく動揺する。
「どうした?」
「あ、いえ…
「そっか…お前さ…俺の…
先輩が何か言おうとしたそのとき、大きな爆発音がして、空に大輪の花。
光の粉がキラキラと舞い降りてきた。
そしてまた闇に包まれる。
「先輩、今何か言いましたか?」
「ん?いや…何も…
そう言いながら、私の頭をガシガシ掻き乱す。
「あ、セットが乱れる~!」
「ふふふ、バ~カ。」
「バカとはなんですか!」
先輩は私のパンチをヒョイヒョイ避ける。
「ほら見て!」
先輩が空を見上げて言った。
私も空を見上げた。
また、大きな花火が夜空いっぱいにひろがった。
「きれい。」
「ああ、ほんとにきれいだな。」
先輩の声に振り向くと、笑顔の先輩と目が合った。
「ほんとにきれいだな…
先輩の優しい声が、ずっとずっと心に響いていた。
「もう、あの時みたいに、心配させんなよ…
深く深く私の身体を貫くようなキス。
ワイシャツがストンと床に落とされる。
その上に、ふんわりと被さり落ちるスカート。
先輩は私の前にひざまづく。
シンクを背にして立ったままの私。
「ナナ…
太ももに感じる柔らかな感触。
「あの時よりも、ずっときれいだ…
先輩は、熱く柔らかく私を溶かしていく。
私は目を瞑る。
あの日の花火が、心の中を彩っていく。
赤や青の黄色の光の粉が、矢のように降り注ぎ、私の心を満たしていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
毎回書いていますが…
現在アメンバーの募集はしておりません。
本当に申し訳ありませんが、個別対応も今は忙しくてできません。
偉そうでほんとにすいません。
でも、こればっかりはかなりの時間を使うので、今はどうしても無理なんです。
コメントやメッセージでのお問い合わせもご遠慮願えれば幸いです。
また時期が来たら、必ずブログでお知らせいたします。
ごめんなさいm(u_u)m