Quantcast
Channel: Blue Moon
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

小説@「ドS社長と単純女」

$
0
0




















「おいっ!」




{D050B72E-208D-4F9D-ABCA-314224A0AB2B:01}





「社長!なんで…?」








お見合いに社長が来た。



私の座る席の前まで来ると、ぐいっと身体を前に倒して手を伸ばす。




「なんだこの頭。」



きちんとアップにセットした私の頭に手を載せて、ぐちゃっと掴んだ。





「や、はなしてっ!」





「は?俺に命令する?」




「ち、違います。離してください。お願いします。」




社長は、私の髪を掴んだまま、ぐいっと引いて無理に顔を上げさせる。





「で、お前、結婚したいわけ?」




「…い、いや、あの…。」




「男にフラれたんだって?」




「なんで、それを?」






ひと月前、確かにフラれた。



浮気された上に、けちょんけちょんに言われてフラれた。



でも、そのことを知っているのは、これから来るお見合い相手だけだ。


酔って絡むように愚痴る私を、その人は優しく聞いてくれた。





『僕は君が気に入ったよ。正式にお付き合いをしたいから、お見合いという形でもう一度時間と場所を変えて会いたい。』




後日、連絡が来て、このホテルのラウンジで、改めて「お見合い」として会うことになっていた。






それが、何故社長の耳に?






「フラれたからって見合いとか、単純だな。」



「…単純でもいいんです。女としての価値がないって言われて…もう、なんでもいいんです。」



社長は手を離して、前の席にどかっと腰を下ろした。




「社長、そこは…。」




「うるせー!俺に指図すんな。
…だからって、おっさんと見合いはないだろ?なんで、好きでもねー、30も離れたヤツと…。」




「歳は関係ありません。
価値なしの私を気に入ってくださったってことが嬉しいんです。
それに、私も少なからず好意を持っています。

…でも、なんでそれを?」




「お前っ!あのおっさんに好意って?好きなのかよ?ふざけんな!お前の見合い相手のおっさんはな…っ…イテテッ!」








「杉森さんっ!」




社長の耳を後ろから掴んでいるのは、お見合い相手の杉森さんだった。





「真彦(まさひこ)、そこをどきなさい。そのお嬢さんは、私の見合いの相手だ。」






「お、親父っ!」




「親父って…えっ?」







私は、杉森さんと社長の顔を交互に見ながら、頭を整理しようと唾を飲み込んだ。






















…………




この話は、今のところ続きません。






はあ…鮫島社長はこんな感じかな~~。


どんなかな~~と、想いを馳せる日々。


つーか、老舗旅館の2代目設定って残ってるのかな?






陸人くんのお話を書きながら、脱線して社長を書いてしまいました…。




社長~~~~



















Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

Trending Articles