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妄想小説@続「愛念」⑨

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こんばんは。



ほんとにすいません。


もう平謝りですo(_ _*)o


びっくりするぐらいのコメントが…しかも、今回は、同じ内容のコメントが2回とか3回とか、多い人は5回とか来たりしたんです。

先輩を止めようと、焦って送信ボタンを連打してくれたんでしょうね…(iДi)


もしそうだとしたら、

それだけ皆様が、このお話に入り込んでくださっていると思うと、涙が出てきます。


いつも読んでくださりありがとう。

感謝の気持ちでいっぱいです。




ということで、辛かったら飛ばしてくださいね。


それでは、参ります。


深呼吸してからご覧くださいませ。







妄想小説@「愛念」①はコチラ


http://ameblo.jp/see-la/entry-11557388231.html



初めていらした方は、第一話から読んでみてくれると嬉しいです(´∀`)








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「いいよ…抱いても…




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image




樹枝状の雷光が窓の外に見えたかと思うと、大きな音とともに、部屋の明かりが消えた。




部屋に響く雨の音。

閃光と雷鳴。



彼女は、俺の耳の後ろに唇を寄せる。


「…昔みたいに、して…


首に巻かれた手が解かれる。



「智…


名前を呼ばれて振り向くと、彼女は濡れたシャツを脱ぎ捨てた。



「智の服も濡れてるでしょ?風邪ひくから…脱いで…


そう言って、俺の服に手を伸ばす。
彼女はネクタイを引き抜いて、ワイシャツのボタンに手をかけた。


一つ…そして、二つ目のボタンに指がかかる。

これだけ、青の糸で止めてあるボタン。


彼女がそれに触れて、ハッとする。



…俺…こんなとことで何やってんだ…





外しにくそうに動く彼女の指。


…そうだよ、このボタンは、簡単には外れないんだ…





「先輩、ボタンが取れかかっていましたから、頑丈につけておきましたよ。

そう簡単には外れないようにしておきましたから。」


ナナが、俺のワイシャツを持ってにこにこ歩み寄ってくる。

「はい」と見せられて、ちょっとびっくりする。



「…おい、なんでこれ、青い糸なんだ?」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image




「ふふふ、空が好きだからですよ。」


ナナは、いたずらな笑みを浮かべる。



「だからって、糸まで青くすることないだろ?」


「あー、先輩!人にしてもらったくせに、文句言わないでください。

そんなこと言うなら、もう直してあげませんからね!」


ほっぺを膨らませて、怒った真似をする。

あまりの可愛さに、俺の完敗。


「…ごめん…ありがとな、ナナ。」



ナナは、目を閉じて唇を突き出した。

そして、交わしたキス。


たった数日前のこと。









ああ…俺は…なんて…


ナナ…


ナナ…



ナナとのたくさんの思い出が、俺の心を駆け巡っていく。




「外、寒いですね…。

ええっ!…だっ、大丈夫ですからっ!…あ…ありがとうございます…。

はい…じゃ、使わせていただきます…先輩のマフラー…ふふふ、あったかいです。」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image




「ああっ!やっぱり先輩はすごいです!

そっかー、こうやって塗ればいいんですねっ!さすが先輩!」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image




「…先輩、今日も特訓ありがとうございました。

ずっと、こうして教えてもらうことができたらいいのに…なんちゃって、冗談ですよ、先輩!」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image



「ふふふ…先輩、子供みたい。うちの弟もそうやって食べてたから。」



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「私は…先輩となら…怖くないよ…



「先輩…大好き!」



「泣いてるのは…幸せだからです…









ナナ…


俺…俺…




俺は、ボタンの上にある彼女の手を、そっと退ける。

彼女の身体にバスタオルをかけ、両肩をポンポンと叩いた。


「ごめん…俺、お前のことは抱けない。」


「どうして?智…私…今でも…あなたが…

彼女の言葉を遮るように、はっきりとした口調で言った。


「お前には感謝してる。ありがとう。


…俺には大切な人がいるんだ。」


「分かってる…それでも…いいから…



「…それはできない…もう、あいつを悲しませるようなことはしたくない。」


迷いはなかった。

彼女の前で深く頭を下げた。



「…そんな風にされたら…引き留めることなんか、できないじゃない…



俺は顔を上げた。

彼女は後ろを向いていた。



「早く行って…


「ごめん…


そうして、彼女の部屋を飛び出した。




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説



どしゃ降りの中を、ただひたすら走った。

もう、ナナのことだけしか考えられなかった。



ずっと自信がなかった。


ナナは気付いていなかったけれど、あいつに想いを寄せる男はたくさんいた。

俺よりできるあいつまで、ナナを紹介しろって言われた時には、心臓が爆発しそうだった。


ナナが男と話しているのを見れば、いつか他のヤツに取られるんじゃないかって、いつも不安だった。


ナナに好きなやつがいるのかと聞いた時、いるって言ったよな。

どんな人って聞いたら、「なんでもできて、優しくて、笑顔のステキな人」って答えたナナ。

それ、俺じゃないってずっと思っていたんだ。


いっそ自分が告白してしまおうと思ったこともある。



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だけど、関係が壊れてしまうことが怖くて、できなかった。

先輩後輩として、自然とそばにいて、ナナの笑顔を見ていられれば、それでよかった。


なのに…いつしかナナで心がいっぱいになっていく。

時々心が暴走して、「好きだ」と言いかけたことが何度もあった。


その度に、心を押さえて、ナナの傍にいることを選んだ。



それが…こんなことになってしまった。


ナナがそばに現れても、俺のことを好きだと言っても、それでも不安だった。


いつか誰かに取られてしまうんじゃないか。

いつか俺よりほかの誰かを好きになるんじゃないか。


そんな想いに支配されていく。


見えない相手に嫉妬して、それでも独占したくてたまらなくて。

上手くそれを伝えられずに、ナナを傷つけてしまった。


もう、こんなのは嫌だ。


ナナと向き合いたい。

ナナに想いをすべてぶつけたい。



ずっと好きだったこと。

ずっと不安だったこと。

ずっと大切だと思っていたこと。


ずっと、ずっと…離れたくないって、そう思っていることを。




何度も足を滑らせて、転がりながらも走り続けた。



あと少しで、俺の家。

もう少し、あと少しだ。



急げ、早く。


走れ、走れ、走れ。




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マンションにたどり着く。

階段を一段抜かしで駆け抜ける。


ガチャガチャと乱暴に鍵を開けて、ドアを勢いよく開けた。



「ナナ!!!」





あ…


ウソだろ?なんで…?




…真っ暗だった。

一瞬、足がすくむ。


部屋に漂うカレーの匂い。



くつを脱ぐのも煩わしげに、リビングに向かう。


電気をつけて部屋を見渡しても、ナナの姿はなかった。



テーブルを見れば、きちんと並んだ皿と置手紙。




「先輩と過ごしたこの数日、私にとって一番の幸せでした。

突然やってきた私を、優しく受け入れてくれたのに、先輩を悲しませてしまったことを後悔しています。


本当に本当にごめんなさい。

私は、先輩の笑顔が大好きです。


どうか、いつも笑っていてください。

昔から私にとって先輩は、ずっと変わらず、なんでもできて、優しくて、笑顔の素敵な人だから。


お世話になりました。

彼女と幸せになってくださいね。」





なんだこれ…?


後悔…?

お世話になりました?


それに、彼女ってなんなんだよ!



キッチンにはカレー鍋

蓋を開ければ、いっぱいのカレー。




どういうことだよ…



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説




どこを探しても、ナナの姿は見当たらない。



ナナは…ここを出ていった…?


嫌だ…

嫌だ嫌だ嫌だ!



ふざけんな!

まだ何にも話していない。







靴も履かずに、部屋を飛び出して、ナナの部屋のインターフォンを押した。


何度押しても出ない。

ドアを何度も叩いた。


「ナナ!ナナっ!!!」



呼んでも反応はない。



いない?

じゃあ、どこに?




俺は、そのまま走り出した。



ナナ!どこにいるんだよ!



あの日、ナナに会いたい一心で走り抜けたポプラ並木。

今日もまた、ナナに会いたくて走り抜ける。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image





雨は強さを増し、前はほとんど見えない。


閃光と雷鳴。

空は怒りを露わにする。




絶対…絶対に見つける…


今までだって、ナナを探せたんだ。

絶対見つけて、もう離さないって誓うんだ!





雨は容赦なく降り続く。



どこだ?

どこにいる?





足を止め、辺りを見回せば、一際明るい閃光が走る。




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その光に映し出された、うずくまる人影。


瞬間、今までよりも数倍大きな雷鳴が響き渡った。






「ナナーーーーー!」




俺はその人影に向かって、夢中で叫んでいた。










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