Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

妄想小説@「魔王 もう一つのstory 成瀬領としおりの恋」④






Image may be NSFW.
Clik here to view.
Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image
MEMORIAL 

  NARUSE  


イベント参加中!!

私のブログでは「魔王 もう一つのSTORY 成瀬領としおりの恋」を追補するなどして再アップさせていただきます。




よろしくお願い致します。




RANさんブログ「天使の弁護士 成瀬領」VS[天才鍵師 榎本径」はコチラ↓

http://ameblo.jp/zsunsun55z/entry-11595328190.html





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



第4話






帰ろうとした私を、成瀬さんが後ろから抱きしめる。

「待って…。」


心がギュッとなる。





「どうして…こんな…。」

私を抱く手に、力がこもる。


「帰さなくてはいけないことも分かっているんだ。これ以上巻き込きこみたくもない。」
成瀬さんの心が、震えている。

「だけど…僕は…もう…

成瀬さんは、どうして…どうして…と繰り返す。




「成瀬さん…」

私は、回されていた手に、自分の手を重ねた。

「成瀬さんの心の中を…話してくれませんか…

力になりたいんです…お願いです、成瀬さん。」



強く私を掴む、成瀬さんの指先。
無理だというように、首を振って絞り出すように声を発した。

「もう…止められないんだ…。」

悲しみと絶望に満ちた声に、私の心が大きく揺さぶられる。

物言いたげな、悲しげな瞳。
伝う涙の痕。


視線を合わせば、成瀬さんはうつむいて目を閉じた。




少しの沈黙。

ゆっくりと上がる顔。
私に落とされた、儚げな視線。



決意の表情を浮かべる成瀬さんが、そこにいた。

「しおりさん、これが最後です。」

突然浴びせられた言葉。
最後…?

心臓が大きな音を立て始める。




成瀬さんは、訥々と話し始めた。


あの事件のことを。
自分のしていることを…。

時折、目を瞑り、言葉を選びながら。
ゆっくりと、ひとつひとつ。



「こちらにきてください。」




その部屋は、真っ赤だった。

一目で、成瀬さんの想いが読み取れた。


あのときの傘を貸してくれた男の子。
あのときの優しい目をした男の子。

あのときの私。
あのときの…。




ああ…

もっと早く気づいてあげていたら。
もっと私が…


止められた。
助けてあげられた。

どうして分からなかったんだろう。
私は、成瀬さんの何を見ていたんだろう。


こんな…
こんな…

こんなこと、成瀬さんにさせたくなかった…。







「許してください。」


どうしてもっと早く…

気付いてあげられなかったんだろう…


涙が後から後から溢れてくる。


「ごめんなさい…。」




愕然とした表情。

信じられないと言ったように首を振る。


「なぜ、しおりさんが謝るんです?


僕が…怖くないんですか?」




私は大きく首を振った。

「私…私…成瀬さん…私…。」


身体の震えが止まらない。

成瀬さんの気持ちを思えば思うほど、苦しくなる。



どれだけ辛かったんだろう。

どれだけ一人で戦っていたんだろう。


どれだけ、あなたは…



「成瀬さんは…あのときの…


あのときの…弟想いの、優しい友雄さんのままです!」


何も変わっていない。


私は、成瀬さんの目を見つめた。

ほら、あのときのままだ。


あのときの優しい瞳。

優しく温かな瞳。


あのときの友雄さんのまま。



「最後なんて言わないでください。」


私は成瀬さんに向かって、強い口調で言った。


「ずっと一緒にいます…いさせてください。」






成瀬さんは手で顔を覆って、膝から崩れ落ちた。



「ど…うして…。」


Image may be NSFW.
Clik here to view.
Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説



「もう、しおりさんを巻き込みたくないんだ…。」



いつも冷静な成瀬さんが、感情的に叫ぶ。


「…これで最後にしてくれ!」

成瀬さんの肩が震えている。



私は、成瀬さんの前に屈んで肩に手を乗せる。


「いいえ、最後になんてしません。私はずっと成瀬さんのそばにいます。」



成瀬さん、あなたの力になりたいって言ったでしょう?

もう、一人で苦しまないでください。




「最後になんか…しません。」







私は成瀬さんを抱きしめた。


「もう、ずっと一緒です。」



離れたくなかった。

離したくなかった。


どうか、一人で苦しまないで。


「成瀬さんの悲しみ、苦しみ、辛いこと全部、私に分けてください。」


成瀬さんが顔を上げて、私を見つめる。

私は微笑んで、小さく頷いた。



「どんな成瀬さんであっても、生きていてくれれば、それだけで幸せです。」



成瀬さんの手が、私の背中に回される。

そうして強く、抱きしめ返された。


息ができないほど、強く強く。



「しおりさん!」





「成瀬…さん。」



火のような口づけを交わしながら、私たちは重なるように床に倒れ込んだ。













・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



第5話以降は、明日のUPになります。


1話は全て書き直し、3話は新しく書き加え、2、4話はかなり手直ししました。

久しぶりの成瀬さん、気合が入ります。


とっても楽しく参加させていただいております。


それではまた明日(^O^)/


読んでくださりありがとうございました。







ただいまリレー中!

成瀬さんに会えるImage may be NSFW.
Clik here to view.
ラブラブ


こちらからRANさんのブログへGO!

リレー途中経過記事はコチラ

http://ameblo.jp/zsunsun55z/entry-11595328190.html







Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

Trending Articles