私のブログでは「魔王 もう一つのSTORY 成瀬領としおりの恋」を追補するなどして再アップさせていただきます。
RANさんブログ「天使の弁護士 成瀬領」VS[天才鍵師 榎本径」はコチラ↓
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第6話
いくつもの季節を通り過ぎ、私は子供の頃に育った施設の園長となっていた。
部屋にはユリの花。
机の横には、箱に入り切らないほどの手紙。
その中の一通を開いて、読んでみる。
…あの日のしおりさんが、夢に現れました…
あの日の私…。
好きな人に、初めて身体を預けたあの日。
今でもはっきりと覚えている。
…成瀬さんの手が、私の髪を撫でる。
指が頬を伝い、唇をなぞる。
成瀬さんの顔がゆっくり近づき、私は目を閉じた。
温かな、柔らかな感触。
小さく、何度も繰り返されるキス。
瞼や鼻にも落とされるそれは、優しく私の心を包んでいく。
「…愛してる…。」
成瀬さんの声。
愛しい人。
深くて長いキス。
頭の奥がツンとしびれる。
腰紐をほどけば、浴衣は自然と左右に開く。
成瀬さんの唇が、私の喉元に触れる。
鎖骨をなぞるように伝い、胸元まで降りてくる。
初めての緊張で、身体が強張る。
成瀬さんは、そんな私の様子に気づき大丈夫ですかと手を止めた。
私は、はいと応えて目を瞑る。
無理はしないでという成瀬さんに、初めてだと告げた。
成瀬さんのすべてを受け入れた。
充足感に、身体が震える。
愛している。
全身が満たされていく。
痛みと熱さと悦びと…
愛することのすべてを、成瀬さんが教えてくれた。
誰かに寄り添えること、寄り添ってもらえること。
忘れることはない。
あれからどれくらい経ったのだろう。
成瀬さん、元気にしていますか?
私は、今日も元気です。
…成瀬さん、愛しています。
直接触れて、あなたに言える日まで待っています。
私はいつもと同じ言葉を最後に書いて、封筒にしまった。
ドアを開け、ポストに向かって歩き出す。
いつかまた会える日を信じて。
この一つ前に第6話のアメ限バージョンが上がっていますが、表現が少し違うだけで、ストーリーは変わりません。
ただいまリレー中!
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