Quantcast
Channel: Blue Moon
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

妄想小説@「愛念」③(大野智)

$
0
0






妄想小説@「愛念」①はコチラ


http://ameblo.jp/see-la/entry-11557388231.html



初めていらした方は、第一話から読んでみてくれると嬉しいです(´∀`)








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







その日の夜、8時過ぎにインターフォンが鳴った。



「はい。」



「あ、俺…。」



先輩?


私は急いでドアを開ける。

スーツ姿の先輩…なんか…ドキンとしてしまう。




「ど、どうしたんですか?」


「いや…その…また…風呂…はさすがにダメだよね?」



「あー…そっか、まだガス…。」


「ああ…今仕事から帰ってきて、このまま寝ようとも思ったけど…かといって、風呂屋とか探す元気もねーし…、で、来てみた。」


「…ダメって言ったらお風呂入んないで寝ちゃうんですか?」


「んま~、そう言うことだな…。」



「明日も会社ですよね?」


「ああ。」


「くさいと嫌がられますよ。」


「…だから…こうして来てんじゃん。」



「でも、もう遅いし…。」


「だよな…ごめんな…やっぱいいや。」



そう言って、智先輩は帰ろうと後ろを向く。

私は思わず、ジャケットの裾を掴んで言った。




「あ…どうぞ…使ってください…。」


なんか緊張して、すっごい小さな声の私。


先輩が振り返る。


「えっ…?マジで?いいの?」



「…はい…。」


「ありがとう、ナナ。」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image



そう言って、いつものあの笑顔。

ああ、ダメだ、その顔、反則。




「上がってください。」


私は先を歩いて部屋に入った。

先輩が後に続いて、部屋に入ってくる。


「とりあえず、そこ座っていてください。今お湯いれますから。」


「ああ、ありがと。」


私はテーブルにお茶を置いて、バスルームに向かった。












はあ…めちゃくちゃ緊張する…

心臓がドッキドキだよ…


今日はずっと先輩のことを考えていたから…



バズタブにお湯をためながら、先輩のことを想う。


スーツ…すごくかっこいいんだもん…やだな…

それに…くさいとか言っちゃったけど…ほんとはすごくいい匂いがした…



あ~、もう、どうしよう…

心臓がおさまんない…



何度か深呼吸をし、頬をぺチンと叩いて、部屋に戻った。





カチャ…



先輩を見れば、ジャケットを脱いで、ネクタイをはずそうとしていた。



指先に目が行ってしまう。

もう、ずっと見続けていたあの指。


絵を描いているときの指先が、パッと脳裏に浮かんだ。

大好きだったんだ…あの、ペンの下の方を握る指。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image








「おい、ナナ?どうした?」


袖口のボタンをはずしながら、私の方に歩いてくる。


「…あ、え、いや…なんでもないです。」


「お前、もしかしてもう眠いとか?」




「眠くないですよ、もういい大人なんですから!」


「あ、大人ね…ふふっ、そうだな、あんとき「ラブテクニック」を愛読してたもんな!」



「えっ、あ…やだ…なんで覚えてるんですか、も~!やめてくださいよっ!」


「ふふっ、あの本、キョーレツだったよな~!」



「もう、いい加減にしてください、怒りますよ!私、お風呂見てきますからっ!」


私は怒った声でそう言って、もう一度バスルームの様子を見に行こうと背を向けた。






「待てよ。」




先輩が私の腕をグイッて掴んだ。


「からかってごめんな。」



…あ…あの時と…同じだ…


「怒んないで。お詫びに…今日は送れないから…何すればいい?」


先輩の顔は真剣で、もうそれだけで心臓が爆発してしまいそうだった。


「お前が怒ると…なんか、いやなんだよ…なんかしてほしいこと、ないか?」


「え…あ、い…いや、そんな…いいです…。」




「そっか…俺は、お前にしてほしいこと、たくさんあるんだけどな…。」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image



そう言って、私の腕を掴んでいた手を、ゆっくりと離した。





「あ、お風呂…見てきます。」


私はバスルームに逃げ込んだ。


心臓のドキドキをおさめるのに必死だった。





結局、お湯が溜まりきるまでバスルームにいた。

心臓のドキドキもようやく落ち着いたので、部屋に向かった。


「お風呂、沸きましたよ。どうぞ。」


ドアを開けながらそう言うと、床の上で先輩の姿を見つけて驚いた。





…先輩、寝てる…




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image



そっと近づくと、カーペットの上ですやすや寝息を立てていた。


…どうしよう…起こす?それとも、このままにしておく?…


寝てる先輩の隣に座って、しばし考える。



…寝顔…可愛いな…


胸がキューンとなった。

それと同時に、おさめた鼓動が、また加速していく。



指先が…勝手に動いて、先輩の髪に触れた。


…柔らかい…




指先に心臓があるみたいで、身体中が熱くなる。


そのまま頬へ手を当てた。

手から伝わる温かさが、身体の芯を揺さぶった。


私は小さな声で、寝ている先輩に向かって言った。


「先輩…会いたかったよ…。」






えっ…






頬に当てた手の上に、先輩の手が重なる。


パチンと開いた瞳で、私を見る。




「俺も…会いたかった…。」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image



思考回路がフリーズする。



「ナナ…ずっと会いたかった…。」


私を見上げる先輩の目に、吸い込まれそうになる。



「なんとか言ってよ。」


何か言おうと思っても、口がパクパク動くだけで、声が出ない。




「ふふっ、ナナは、金魚か?」


そう優しく微笑むと、ゆっくりと起き上がって、私に向き合って座る。




「お前、昔と全然変わってないな。」


私の頭に手を乗せて、そっと髪を撫でてくれた。

そのまま、私の頬に手が触れる。


「この、大福みたいなほっぺたも、5年前のまんまだな…。」


そう言って、むぎゅっと軽くつまんだ。



「や、やめてくださいって…もう…。」



目が合わせられない。

身体中が心臓になってしまったみたい。


全身に響く心臓の音。

何を話していいかわかんない。


私は下を向いた。





「ねえ、こっち向いて。」




そう言って、顎にかけられた指で、先輩の方を向かされた。



ドッキーン


もうダメだ、先輩の目が私を見てる。

涙が勝手に溢れて、視界が滲む。




「ナナ…



私の名前を呼ぶ声が優しくて、自然と涙がこぼれた。




「お前…なんて顔してんだよ、バーカ。」



先輩は大きく息を吐いて、私の顎の下に添えていた手を離した。

そして、私の頭をくしゃくしゃっとかき回して立ち上がった。





「風呂、借りるな。」


そう言って、バスルームに向かっていった。



私はもう脳みそがオーバーヒート。

心の準備ができていないまま、スカイダイビング状態。


とりあえず、お茶を飲んで、大きく息を一つ吐いた。



バスルームから聞こえるシャワーの音が、やけに大きく耳に響いていた。




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image















Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

Trending Articles