相葉雅紀くんのお誕生日記念に、以前にUPしたものをもう一度書きなおしました。
明日この続き、かけたら書きますね。
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これは、赤い糸が見える世界のお話。
もしも、小指に繋がる赤い糸が見えたなら、あなたはそれを辿りますか?
それとも…。
俺の小指にも赤い糸。
誰につながっているのかわからない。
辿る気もない。
メンバーにも赤い糸が伸びている。
まあ、仕事上、まだ結婚はできないし、みんな放置だ。
時々どんな相手と繋がっているんだろうねって話すことはあるけれど、特にそれ以上の興味はない。
「ね、リーダー、知ってる?」
「知らない。」
「もー、まだ何にも言ってないじゃん!」
「…何?」
「だからー、赤い糸の繋がった人に出会えたら、必ず二人きりになれるようになってるんだって。」
「で?」
「で、じゃないよ~!なんでって聞いてよ~!」
なんだかな~、ほんと可愛いやつ。
「なんで?」
俺が聞いてやると、自慢げに応えはじめる。
「プロポーズしやすいようにするためなんだって。」
「…ふーん。」
「ちょっと、もっと興味持ってよ、ねー!」
「ああ、悪い悪い。」
くしゃくしゃな笑顔で、俺に寄りかかって座るキミを見つめて思った。
…俺はさ、お前が好きなんだよ。
だから、糸なんて、そんなのどうでもいいんだ。
地方ロケ、今日は相葉ちゃんと一緒。
もうずっと話をしてる。
いつもにこにこして、ほんと可愛いやつだな。
キミと一緒だとすごく楽だ。
それに、自然と笑顔になる。
こんなやつが、ずっと隣にいてくれたら、とても幸せなんだろうな。
愛らしい笑顔を見ながら、自分の気持ちをぐっと押さえた。
ロケを終えて、ホテルに戻る。
お互いの部屋を行き来しながら、なんとなく一緒に飲み始めた。
「今日のロケも楽しかったね、ね、リーダー!聞いてんの?」
「ああ、聞いてるよ。」
「だからー、何でいつもー、そうやってあしらうんですかー?」
なんだ、もう酔ってるのか?
最近ドラマで疲れていたし、酔いが回るのが早いんだろうな。
缶ビールを2本も明けないうちに、そのまま寝てしまった。
布団をかけてやり、俺はまだ飲み足りないからとバーに行こうと立ち上がる。
ドアに向かって歩き出すと、小指が引っ張られてベッドサイドに倒れ込んだ。
なんだよ、いったい?
どういうことだ?
ピーンと張られた小指の赤い糸。
今までそんなことはなかったはず。
緩んで垂れ下がっていて、どこに繋がっているのかわからない糸だったはず。
それが、今はピンと張って、布団の中に続いている。
恐る恐る布団をめくれば、相葉ちゃんの小指に繋がっていた。
どういうことだ?
一旦布団を元に戻して、自分の小指を見つめて考える。
そして、もう一度布団をめくれば、やっぱり俺の小指と繋がっている。
全く状況が読めないまま、とりあえずビールを飲んでやり過ごす。
そのうち意識が遠のいて、ベッドに突っ伏して眠ってしまった。
「リーダー…ねえ、リーダー起きてよ、ねえってば…。」
揺り動かされて目を開ければ、血相変えたキミがいた。
「これ、どういうこと?」
小指を差し出して、俺に聞く。
そんなの知らないと答えて、小指の糸を見れば、さっきよりも短くなっていて、長さは30センチもなかった。
「何で、俺の運命の人がリーダーなの?」
「そんなの俺だって知らないよ。」
もう何がなんだかわからない。
二人で顔を見合わせて笑った。
「あ、でもさ、赤い糸の人が見つかったら、必ず二人っきりになるって…ほんとだったね。」
「なんだ、呑気なやつだな。」
「だって俺、すごく嬉しいんだもん。」
嬉しい?
それって、俺と繋がっていて嬉しいってことか?
「リーダーどうする?ねえ、せっかくだからプロポーズしていい?」
キミの言葉にドキッとする。
ふざけんな、プロポーズとか、からかうにもほどがある。
俺の動揺なんか無視して、楽しそうに近づくキミ。
「ね、じゃ~、いくよ。」
そう言って、俺の耳のそばで囁いた。
「結婚しよっ!」
「って…ばかっ!」
ドキンと身体が波打ち、思わずキミを突き飛ばした。
「あ、ごめん、大丈夫?」
床に倒れた相葉ちゃんに、手を差し出した。
「好きでもない相手に、そんなこと簡単に言うなよ…
「…リーダ―…
相葉ちゃんは俺の手をギュッと握って…引き寄せた…
「わっ!」
俺は、バランスを崩してキミの上に倒れ込む。
そのまま背中に手をぐるりと回して、身体を半回転。
俺の上に、相葉ちゃんの身体。
「キス、していい?」
「えっ?」
俺の返事を待たずにキミは、顎に手を添え軽く唇を重ねてきた。
「あ、ちょっ、まっ…俺…
深く沈みこもうとする唇を、押しかえす。
「ちょっと、待って…なんで…
「なんでって…今さら聞くの?」
いたずらっこみたいな目をして、俺を覗き込む。
「大好きだからだよ。」
「あ~、もう、なんだよ…
突然すぎてわかんねーよ。
俺のことが好き?
そんなの聞いてねーし。
「でさ、リーダーはどうなの?」
「どうって…
「言ってよ。」
「あ?」
「…言って!」
「…無理。」
「…言って!!」
「…いやだって。」
「…言ってよ~!」
ったく、もう俺だって限界。
甘える君を抱きしめて、強く唇を重ねた。
「…これでいいだろ?」
「…やだ。」
「ほら、あんまり暴れると、糸が絡むって…。」
俺はギュッと抱きしめる。
隠していた気持ちを、赤い糸に引きずり出された俺たち。
ふと見れば、赤い糸の長さはもう10センチもない。
もう、ずっと繋がっていろってことなんだ。
俺の運命の人。
抱きしめていた手を緩めて、きみの顔を見つめた。
俺を見てにっこり笑う。
「俺のこと好き?」
「当たり前だよ、リーダー!」
「どのくらい?」
「うーん、見せられたらいいんだけどなー!こーのぐらい!」
「なんだ小さいな。」
「えっ、じゃあ、こーーーーーーのくらい。」
「まだまだ小さいな。」
「てかさ、リーダーなんか、言ってもくれないくせに~!」
「いいじゃん、もう言わなくても分かるだろ?」
「もー、じゃあ、リーダーはどのくらいなの?」
「ん?このくらいだよ。」
そう言って、頬を両手で挟んでキスをした。
何度も何度も、愛してると囁きながら。
短くなった糸は、お互いの小指にくるりと巻きつき、指輪のように同じ形を示していた。
もうずっと一緒だよって、言っているみたいに。