こんにちは。
お話、書こうか書くまいかずっとずっと考えていました。
悩んで悩んで…結局、ここがあるうちは書いていこうと決めました。
一般記事では、「世界の終わりは君だけに」 と 「君ヲ思フ」。
限定記事では、大野智版「源氏物語」 をそれぞれ書かせていただきます。
よろしくお願い致します。
妄想小説@「君ヲ想フ」①(大野智と相葉雅紀)はコチラ↓
http://ameblo.jp/see-la/entry-11535646713.html
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風が…吹いている。
あの…あたたかな風が。
マサキに抱きしめられながら、心の奥がざわつくのを感じていた。
マサキ…?
お前、一体…
俺の存在を確かめるように、何度も何度も腕に力がこめられる。
「どうした?俺は、ちゃんとここにいるって。」
マサキは、フーッと長く息を吐いた。
「サトシ…。」
えっ?
俺は耳を疑う。
話せないはずのマサキの口から、言葉が発せられたからだ。
「会いたかった…。」
マサキは、もう一度俺を抱きしめる。
「ずっと…会いたかった…。」
「俺だよ…。」
「えっ?」
「やっと、会えた。」
マサキの言っている意味が、全くわからない。
「…まさか…分からないの?」
「何が…?」
「俺のことが…分からないの?」
マサキの瞳から、涙がツッとこぼれ落ちた。
「…生まれ変わっても見つけてくれるって…言ったよね?」
「何の…ことだ?」
「俺が、こんなに想っているのに…。」
「だから、何のことだよ!」
「俺が…こん…な…に……。」
マサキは、気を失って、俺の腕に倒れ込む。
どういうことだ…
「おい、マサキ!おいってば!マサキ、マサキ!」
頬を叩いてマサキを呼べば、ゆっくり目を開ける。
「お前、しゃべれるのか?」
マサキは、何のことだかわからないと言うような表情で、俺を見る。
「だから、ほんとは口が利けるのか?」
小さく首を横に振る。
うそをついているようには、到底見えなかった。
「そうか…ごめんな。」
俺は、頭を冷やそうと立ち上がった。
「なんか食いもん買ってくるから、お前はそのまま寝てろ。」
マサキにそう言って、俺は部屋を後にした。
あれは一体なんだったのか…
会いたかった?
…俺に?
食料を適当に買い込んで部屋に戻れば、マサキの姿はどこにもなかった。
潤の手紙があった場所に、帰りますとのメッセージ。
玄関を飛び出し、通りを見ても、マサキの姿はなかった。
「あいつ…本当に帰ったのか…。」
ベッドに横になり、マサキのことを思う。
俺は何か大切なことを、忘れているんじゃないだろうか…。
何か、きっととても大切なことを…。