妄想小説@「君ヲ想フ」①(大野智と相葉雅紀)はコチラ↓
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その場所に降り立つと、胸の奥がざわつくのを感じた。
初めて来た場所なのに、なぜか懐かしい。
風が吹いている。
俺を取り巻くように。
…こっちか…
目の前で口を開けている深い森。
昼間でも薄暗い。
でも、不思議と不安はない。
人の気配はなく、ただ寂寞たる世界が広がるのみ。
風が吹いている。
人が入ることを拒絶するかのように、草が鬱蒼と生い茂る。
俺は森に入った。
風が草を分け、俺は導かれるように歩を進めていった。
…サトシ…
風が運んできた聞き覚えのある声。
立ち止まり、辺りを見回す。
人の気配はない。
気のせいか…いや、確かに聞こえた…
深い森。
細い筋となって降りてくる光。
ひんやりとした空気。
頬を撫でるように吹く風。
俺は目を閉じた。
やっぱり聞こえる…俺を呼んでいる。
…サトシ…
深い記憶が、ぼんやりと形になって表れてくる。
風が俺を導いていく。
木々の切れ間、少し開けた場所にたどり着いた。
急に鼓動が速くなる。
胸が…痛くて…苦しい…
場の中心にある、俺の背よりも少しだけ低い石。
俺は胸を抑えて、そこにもたれかかった。
その瞬間、大きく風景が歪む。

うわっ…なんだ、これは…
暗い。
息が苦しい。
…ここは、どこだ…
目が霞んでくる。
意識が遠のいていく…
『…薄れゆく意識の中で想うのは、君のことだけ
その時が来るまで、ただ君を想う
…タイセツナ オレノ … 』
ハッとして目を開けた。
頭に鈍い痛み。
額を押さえつつ、周りを見れば、揺らいだ景色が元に戻っていた。
なんだったんだ、一体。
尋常じゃない汗が噴き出してくる。
俺は石を背にして座り込む。
荒い呼吸のまま、額の汗を拭った。
ふと前を見る。
川…
木々の隙間から、太陽の光に反射して輝く水面が見える。
向こうから、誰か…
こっちに向かって、歩いてくる。
光を背にしていて、顔はわからない。
俺は目を細めて、こちらに向かってくる人影を見つめた。
風が吹き抜ける。
周りの木々を揺らし、葉が舞い上がる。
ザザッ
「マサキ…
なんでお前が…ここに…?