こんにちは。
コンビ祭りに参加させていただいた記念に、私の中で転機になったこの作品を16話再アップさせていただきます。
一部加筆、修正を加えておりますので、よろしけれはご覧ください。
朝9時にnowbook様のところより、「僕の中のきみ~preparation for a trip ~前半(大野×櫻井)」
それを受けて夜23時に、「僕の中のきみ~The first camp ~後半 (大野×櫻井)」を書かせていただきます。
今日一日はコメント欄も開けておきます。
よろしくお願い致します。
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石の回廊を走る。
翔が先陣を切る。
智は姫を守りながら、そして、和也は後方から懸命に進む。
斬って走って、兼定の元を目指す。
「あれだ!あそこに兼定がいるはず!」
ダダダダダダダダダ
バタンッ
「ここかっ!」
広い和室。
襖を開け、奥へと進む。
四方八方から敵が斬りつけてくる。
翔と背中を合わせ、間合いを取り、一気に斬りつける。
「兼定ー!どこじゃーー!」
前へ、ただひたすらに進んでいく。 「ここは通さんぞ。」
和也の前に、二刀流の大男。
手には見覚えのある二口の刀。
「お前、その刀、どこで…。」
男は刀を見て、笑いながら言う。
「ふはははっ、良い刀だろう、ふはははははははっ。」
あれは、雅紀と潤のだ…。
この男…許さん!
和也は男を睨みつけ、刀を構え直す。
でやあああああーーーーーー!
和也が斬りかかると、パッと姿を消す。
なにっ?
…幻術か?
ザッ
後ろから背中を斬りつけられた。
「うっ…。」
振り向けば男はいない。
ザンッ
今度は左手を斬りつけられる。
「うわっ…。」
ザッ
今度は右。
「っく…。」
「なんだ、もうおしまいか?ふはははははは!」
くそっ、あやつの動きがわからん。
心を鎮めよ…
雅紀、潤、俺に力を貸してくれ…
すると、男の刀が光り、居場所が見える。
「なんじゃ、これは!」
そこか!
ズサッ
「ぐぁっ…なぜだ…?」
男はその場に崩れ落ちた。
手には雅紀と潤の刀が眩しく光る。
和也が近づくと、まるで共鳴するかのように色を変えた。
「雅紀、潤、ありがとう。おぬしたちに…また、助けられたな…。」
膝をつき、屈んで手に取る二口の刀。
刀身に自分の姿が映る。
「ふっ、血だらけだな…。」
和也は鼻で笑った。
「痛ってーな…。だが、雅紀も潤も…もっと痛かったよな…。」
開いた傷から大量の血が溢れ、床に血だまりをつくる。
「お前たち、置いてきて悪かったな…今、一緒に連れて行くから…。」
刀を拾い上げ肩に担いだ。
しかし、前に動こうにも、足が動かない。
「くそっ!」
和也は刃先を下に向けて、杖のようにして歩き出す。
「翔、智…時間がかかって…すまん。今、行くから…雅紀も潤も一緒だ…。」
和也は身体を引きずるようにして、翔と智のもとに向かった。