Quantcast
Channel: Blue Moon
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

妄想小説@「僕の中のきみ~The first camp ~」後半(大野智と櫻井翔)

$
0
0







前半は、なうちゃんのとこです。

http://ameblo.jp/piman89/entry-11541839638.html




妄想小説@「僕の中のきみ~The first camp ~」後半(大野智と櫻井翔)


ちょっと長くなりましたが、よろしくお願い致します。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「智くん、起きて、着いたよ。」




…ん…?



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説







「さ、行くよ、準備して。」



翔ちゃんに促されて、車から降りると、青いリュックを渡された。

もうすでに、何か入ってるみたい。


「何入ってんの?」


開けてみようとする俺に、翔ちゃんは笑いながら注意する。

「いろいろ入ってるから、今は開けんな~。」




「それから~、はい、これ。」


そう言って、あのとき内村さんから頂いた杖を渡される。



「おー!これを使う時が来たぜ~!」


嬉しくなって、如意棒のごとく振り回す。



「ちょっと、智くん、危ないって~。」




まさか山登りだとは知らずに、短パンとTシャツで来ちゃった俺。


「富士山をなめんな~。」


翔ちゃんは笑いながらそう言って、山登り用の服をドサッと渡した。


「智くん、着替えてきてください。」



へいへい。

俺は、その場で洋服を脱ごうと手をかけた。


「あー、智くん、お着替えは車の中でお願いしまーす。」


もう、いちいちうるさいな~っ。

俺は翔ちゃんに小突かれながら、車の後部座席に乗り込んで着替えた。





やっと準備完了!

いざ富士山へ。




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説



杖を突くたびシャリンと鈴が鳴る。

なんだか楽しくなって、無駄にシャンシャン鳴らしてみる。


そんな俺を見て、翔ちゃんはずっと笑っていた。




空気が濃いような気がして、何度も深呼吸。


「智くん、そんなに空気ばっかり吸うと、腹いっぱいになるよ。」


「んなわけね~よ。」


そんな、どうでもいい会話が楽しくて、ついついおしゃべりになってしまう。

行き交う人に挨拶しながら、登山道を進んでいく。



「智くん、楽しい?」


「うん、楽しいよ。」



「来てよかった?」


「うん、来てよかった。」



どちらともなしに肩を組んで、深い緑の中を歩いた。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説








傾斜が急になってきて、足元も大きな石が目立つようになった。

周りの景色も変わり、息は乱れ、口数も減ってくる。



やっぱり、富士山はスゲーな…



上を見上げても、頂上なんか見えやしない。


頂上は見えなくても、ただ一歩一歩前に進んでいくだけだ。





翔ちゃん、大丈夫かな…

最近は、毎日仕事漬けで、休む暇なんかなかっただろうに…



そうして振り向けば、やっぱり辛そうな表情。


なんでそんな大変な思いまでして、富士山なんかに俺を連れてきたんだよ…



「翔ちゃん、大丈夫?」


俺の言葉に、小さく微笑んで、「ああ。」と一言。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説







「休むか?」


「いや、いい。休んだら、上までいけなくなる。」




「うん、分かった。」


翔ちゃんの気持ちは痛いほどわかる。

俺たちの休みはあと3日。


一日でも予定が狂えば、仕事に穴をあけてしまう。



それでも…無理はしてほしくなかった。


「ねえ、翔ちゃん、今日はあそこまでにしようよ。」


俺は8合目の山小屋を指差した。




「いや…上まで…智くんと…上まで…行くんだ。」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説




ハアハアと息遣いも荒く、足取りも重い。

でも、一向に休もうとしない翔ちゃん。



俺は翔ちゃんの背負っていた荷物を、自分のリュックに移し替えた。



「智くん、何してんだよ?」


「いいから。さ、行こう。」



翔ちゃんの手を取って、岩場をよじ登る。


「スゲーな、富士山て。」


「そうだな…。」



二人で黙々と歩く。

色々な障害を、手を取り合って乗り越えながら進む。


仰ぎ見ても、まだ頂上は見えない。

でも、必ずそこにあるはずの頂点。


そこを目指してがむしゃらに歩んでいく。


それは、ここまで自分たちが「嵐」として歩いてきた道のりと、なんだか似てるような気がした。




「翔ちゃん…あのさ…


「ん…?」


「あのさ…よかったよ…俺、ジャニーズに入って。」


「急になに言ってんの…?」




「ん?だって、俺、ジャニーズにいなかったら、翔ちゃんみたいなやつとは…たぶん一生知りあってないよ。」


「おい、何言ってんだよ~。」


翔ちゃんは照れて、俺をバシバシ叩いた。


翔ちゃん、俺、ほんとにそう思ってるんだよ。

出会えてよかったって。



「俺、翔ちゃんのこと、好きだよ。」


「は~、やめてくれよ、智くんっ!」



なんだか、素直にね、きみに好きだと言いたくなった。

こんな状況だからかもしれないけれど…


知り合った日から、ずっとずっときみを見てきたから…。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説




「…俺だって、智くんに会えてよかったって…いつも思ってるよ…。」


「…ほんと?」



「ほんと。智くんみたいな人は、そうそういない。」


「そっか~?」


「ああ…俺も、智くんのこと大好きだよ。」


翔ちゃんの声があまりにも優しくて、ドキンとした。



「えっ、突然…なに言ってんだよ…。」


「えー、そっちが先に言ったんじゃないのかよ~~!」




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説




何だか元気が湧いてきた。

頂上まであと少し。


一緒にゆっくり歩んで、上を目指していこう。







「翔ちゃん、あれじゃない?」


山頂入口と書かれた文字が見えてきた。


「あー、着いたね~…マジ疲れた~!」


「翔ちゃん、ほらもう少しっ!」




ゴーーーーーーーール!!




やっと着いた…


頂上だ…

マジでうれしー!!


翔ちゃんと一緒に抱き合って喜んだ。

写真もいっぱい撮った。




今日は山小屋で泊まって、明日朝日を見るんだな。

ほんとに楽しみだ。

こんなにワクワクするのは、いつ以来だろう。


翔ちゃん、ありがとう。




俺たちは泥のように眠った。


そして朝、山小屋にいたみんなと絶景スポットに移動する。

すっげー眠いんだけど、すっげー楽しみ。


もちろん、手にはカメラとスケッチブック。


翔ちゃんも楽しそうだ。

だって、顔見りゃわかる、ほら、目じりがくしゃってなってるもん。




朝日が昇る方向に目を向ける。


誰も話さない。


ただ、黙ってその時が来るのを待った。



ゆっくりと動く雲海。


ただ風の音だけが聞こえる。


空が次第に明るくなってくる。


放射状に延びる光の矢。




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説





そして…ご来光…





Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説




ああ…なんて…



息をするのも忘れて、一心に見つめる。


ああ…なんか…俺、泣きそうだ。





そう思って横を見れば、翔ちゃんの目から一筋の涙。



そっか…おんなじなんだな…



そうして、俺たち二人、その場で静かに涙を拭った。







今見た感動を、すぐに絵にしたくて、スケッチブックを広げる。


ザッと描いて、翔ちゃんに見せた。



「智くんの絵、俺、大好きだわ。来てよかった…。」


ため息交じりにそう言ってくれる翔ちゃんに、胸がいっぱいになった。



「俺もだよ。翔ちゃん、ありがとう。」







ゆっくりしている時間は、俺らにはなかった。


すぐに下山を開始する。

名残惜しくて何度も振り返るが、時間は容赦なく過ぎていく。



「智くん、行くよ。」


そう何度も翔ちゃんに言われながら下山した。











5合目まで戻り、今日のキャンプ地まで車で移動。



「翔ちゃん、大丈夫?」


「ああ、平気だよ。ってか、今日何回俺に大丈夫って聞いてんの?」


ほんとは疲れているだろうに、そう笑顔で応えてくれる。



夜はキャンプだね、翔ちゃん。

ワクワクするね。


そう言えば、昔、5人で行ったよね。

合宿、楽しかったね。


また、行けたらいいね。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説



翔ちゃんを見れば、やっぱり俺と同じこと考えてるようだった。

だって、あのときレコーディングした歌を、鼻歌で歌ってんだもん。











「ここでいいよね?」


翔ちゃんが、テントを張る場所を決める。




そうして建てたテントは…思ったよりも小さかった。



「なんか、小さくない?」


俺がそう言うと、


「だって、店の人はこれで十分だって言ってたもん!」


そう半笑いになりながら、答える翔ちゃん。




「ちょっと入ってみるね。」


俺はテントの中に寝転んだ。


「翔ちゃんもきて!」


翔ちゃんを招き入れる。

ゴソゴソと二人でテントに収まった。




「せまっ!!」


「だろ~?」


お互いの腕がぴったりくっついている。

なんだか、やけに笑えてしまう。


翔ちゃんって、完璧なんだけれど、こういうちょっとしたところが抜けている。

そこがまた、何とも言えずかわいいところなんだけど。





「寝袋、どうする?」


寝袋か…これじゃ二つは無理だな…

結局、下に敷いて、布団みたいにして使う ということに決まった。




「智くん、釣りしておいでよ。」


そう言って、竿を渡された。

めっちゃテンションあがる!


「えーー!いいの?」


「いいよ、俺、なんか食いもん探してくるから。」



のんびり釣りまで楽しむことができて、マジで幸せだった。


翔ちゃんは、俺のことなんでもわかってるな…

ここまで俺のこと考えてくれるやつなんて、他にいないよ。




夜、簡単なご飯を一緒に作った。


どっちも料理は中途半端にしかできなくて、まあ、食えればいいやって感じの出来。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image




作ってる時間が楽しくて、ほんとにあっという間だったな。



そう言えば、二人だけでこんなに一緒にいることなんてあったかな…


翔ちゃんの横顔を眺めながら、ふと考えた。

こうしている時間が、何だかとても幸せだった。






「さ、明日は早いし、もう寝よっか?」



翔ちゃんに促されて、テントに入る。

やっぱり狭い…



「なんか…どうなのこれ?」


翔ちゃんの困った顔に、笑えてしまう。




ちょっとイタズラしちゃおうかな…


翔ちゃんの困った顔が大好きな俺は、もっと困らせたくなってしまうんだよね。




「ちょうどよくない?こうすれば狭くないよ。」


そう言って、俺は翔ちゃんの上に重なった。



「…えっ?さ、さとしくん?」


「だから、これなら狭くないでしょ?」


俺は、翔ちゃんの首に腕を回して抱きしめた。




「えっ?えっ?」


ふふふ…翔ちゃんが困ってる。

楽し~~っ!



もっと困らせたくて、俺は真面目な顔して翔ちゃんに言った。


「翔ちゃん…大好きだよ。」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説



それまで、困惑して泳いでいた翔ちゃんの目が止まり、俺の目を真っ直ぐに見つめ返した。



あ…待って、そんな目をしないで…

これはただのいたずらで…


そう言おうと口を開いたときに、翔ちゃんが言った。



「俺も好きだよ…



…えっ?



「ずっと前から…智くんのことが好きだった。」


ちょっ、っちょっと待って…



「俺の中には…いつもきみがいたんだ…きみの考えていること、きみがやりたいこと…叶えてあげたいっていつも思うよ。」


翔くんは、俺を抱き締め返した。


「智くん…。」



俺の心の奥がざわつき始める。

あ~…まずい…心の奥にしまいこんでいた感情が爆発しそうだ…



「お…俺…


翔ちゃんの腕に力がこもる。


「俺…俺…



翔ちゃんが、ふふふって笑った。


「俺俺…って、俺ばっかりだな。」


「う、うるさいなー!」




も…もう、翔ちゃんは、すぐ俺を茶化すんだから!


俺はこの状況から脱出しようと、翔ちゃんから身体を離そうとした。










「離れんなよ。」




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説



離れようとした俺は、翔ちゃんの腕にぐっと抱き戻される。


「行くなよ。」



苦しいほど抱きしめられ、身動きが取れない。




「智くんから仕掛けたんだからな…もう止まんねーから覚悟して。」


翔ちゃんは体を反転させて、俺を組み敷いた。



あ…ちょ…まって…


翔ちゃんの身体の熱さが伝わってくる。



今度はゆっくりと、優しく抱きしめられた。


ああ…ダメだ…翔ちゃん…俺…そんな風にされたら…




「いいよね?智くん?」






こうして、狭いテントでの夜は過ぎていった。


翔ちゃんとの初めてのキャンプ。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説



…俺にとって、一生忘れられない日になった。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







はあ…終わった…


やっぱりなうちゃんはすごいから、私じゃ無理ですよ~~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


これで満足してもらえたか、甚だ疑問ではございますが、これにて、「僕の中のきみ」後編終了です。




読んでいただけた方、皆様に感謝いたします。


ありがとうございました。



tomoe





Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

Trending Articles