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妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」13(大野智)

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ふと目を覚ませば、あなたの姿が見えない。


時間は、5時00分。


起きるにはまだ早い。




ベッドから出て、廊下に出れば、リビングのドアが少しだけ開いていた。





白く伸びた光をたどり、静かにドアを開けると、ソファーに座って台本を読んでいるあなたをみつける。





photo:02







私の気配に気づいたのか、あなたがこちらを振り向いて、「起こしちゃった?」と心配げな顔。



「ううん。」




私は、あなたの向かいに座って「しばらくここにいていい?」と聞いた。





「構わないけれど、俺、黙って読んでるだけだぞ?」



「うん、分かってる。邪魔はしないから。」




「邪魔なんて、思ったことないよ。」



あなたは目を細くして微笑むと、静かに台本に視線を落とした。





顔つきが、変わっていくのが分かる。


きっと、お話の世界に入っているのだ。





昨夜の言葉が、頭をよぎる。



「お前がさ…嫌だっていうんなら…俺…仕事なんか、辞めたっていいんだ…。」



あなたから、この仕事を奪ってはいけない。


直感的にそう思った。









「なあ…。」



あなたが台本から顔を上げ、私を見ている。



「あ…なに?」




「こっちにきて。」




「あ、うん…でも、隣だと…。」




「隣だと?」



隣だと、あなたを触りたくなってしまう…なんて言えるわけがない。


真剣な表情のあなたほど、魅力的なものはないのだから。






「隣だと、気になっちゃうでしょ…?」




「全然なんないから、おいで。」






私はふ~っと息を吐き、「わかった」とあなたの隣に座った。


自分の心が透けないようにと、厳重に囲いながら。





「もう少しで終わるから、そこにいて。」



「あ、じゃあ、コーヒー入れてくる…それともご飯作ろうか?」




「いや、そこにいて。」




「う…うん。」



立ち上がろうとする私の腕を強く掴んで、あなたはもう一度私を座らせた。






手で腕を掴まれたまま、数分。


そこからじわじわと血液が動きだし、私の身体を熱くさせていく。



ああ…ほんとにダメだ…


あなたのきれいな横顔をみていると、吸い寄せられるようにキスしたくなる。









ふと、あなたがこちらを向くから、ドキッとする。



「なに?」




photo:03






「な、何も言ってないよ…?」





「言ってる。」



「えっ……あっ……




パクッと唇ごと覆うキス。


何度か繰り返されて、離れていく。




「もう少しだから、待ってて…。」




こんなに甘いお預けなんてこの世に存在するのだろうか…。



私が頷くと、「イイコだね」って、もう一度降りてくる柔らかな唇。


優しいキスに、身体がパンクしそうになる。






「今日は、7時に迎えが来る。」



「…早い…ね…。」




「うん…早い…。」



「じゃあ、もう…ご飯、作らないと…。」



「…うん…そうだな…。」




「離れなきゃ…作れないよ…。」



「うん…そうだな…。」




「台本も、読まなきゃ…。」




「うん…そうだな…。」




「…だから…隣は…ダメだって…言ったのに…。」







あなたは、私の耳や鼻、指先まで…身体の突起した部分を噛んでいく。



私も、あなたに同じことをした。






ただただ、あなたを愛している。


爪の先、指の付け根までも、こんなにも愛しい。





photo:01









こんなにも好きなのだから、きっと、ずっと…忘れない…




















◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇












ひらめき電球「今度は私から好きと言いたい」第3話をブログUPしてあります。


http://ameblo.jp/see-la/entry-11837861392.html


4話からはあちらで書かせていただきますので、もしよろしければいらしてくださいね。


ひらめき電球「今度は私から好きと言いたい」


http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=1040526&c=n



移動先では、サトシからコウタに名前が変わっています。






よろしければお気軽にどうぞ。



ただし、あちらは小説を書く場所なので、画像はありません。

その分、こちらでお話を書くときは、皆様が楽しんでいただけるように、画像を入れてのお話をちゃんと書かせていただきます。


満足してもらえるようにがんばりますので、どうか、あちらの画像のないことについてのコメントは差し控えていただきますようお願い致します。



また、あちらは嵐さんとも関係のない場所です。


普通に小説を読みに来る方がたくさんいます。


なので、嵐さんに関してはこちらのブログでお願い致します。


ひらめき電球移動先

「あなたを知りたい」蒼月ともえ


http://no-ichigo.jp/read/book/book_id/979420


ひらめき電球「愛念」蒼月ともえ


PC  http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=984608&c=n
スマホ http://www.berrys-cafe.jp/spn/reader/book.htm?bookId=984608&c=n


「愛念」トップページにある、私の名前をクリック(タップ)すると、ここにしまってある、他のお話も読めると思います。




いつもありがとう。


感謝しています。






tomoe





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