一つ前のお話
妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」14(大野智)
http://ameblo.jp/see-la/entry-11848646993.html
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「…ごめんなんて、言わないで…。」
私からのキスで、あなたは押し黙る。
ぷるんと弾力のあるあなたの唇の上で、ぴょんぴょん跳ねるように、小さなキスをたくさん送る。
それがくすぐったいのか、目をつぶりながら、あなたは笑顔になった。
目尻のシワが優しい。
小鼻がピクリ。
ふふふって笑う声がする。
「なあ…
あなたが目をあけて、私を見る。
「もっと、俺を好きになって。」
「…もう、充分好きだよ…?」
あなたは、ふっと視線をはずし、そして、もう一度、私の目の奥を覗くように見つめてくる。
「じゃあ、もう一回…して。」
あなたは目を瞑り、顎をあげる。
私は、あなたの頬に手を添えて、唇の先で撫でるようにキスをした。
「お前のキスは、いつも優しいな…。」
「優しい?」
「ああ、すごく、優しい。」
私は、あなたをそっと抱きしめる。
違う、優しいのはあなたの方だ。
「時間まで、このまま抱きしめていていい?」
「…うん、いいよ。」
あなたの鼓動が伝わって、私は子供のように安心する。
私の背中に回された大きな手に、ずっと守られていたい。
不意に、涙がこぼれた。
好きな気持ちがいっぱいになると、涙になって溢れてしまう。
「…好きだよ…。」
「うん…。」
「大好き。」
「…俺も。」
私は、しがみつくようにあなたを抱きしめる。
好きな気持ちが走り出す。
「ああ…やっぱりダメだ。」
「えっ?」
「このまま、お前に抱きしめられているだけなんて、無理だ。」
「…無理って…。」
「このまま仕事になんか行けない。」
あなたは、私の身体をギュッと抱きしめながら囁いた。
「抱きたい。」
あなたの声が、艶っぽく変化し、私の胸を撃ち抜いた。
「抱かせて。」
そんな時間などないことは、お互い分かっていたけれど、私もあなたを求めてしまう。
…でも…
テーブルの上のケータイが鳴りはじめ、あなたの出発の時刻を知らせていた。
「ごめん。」
あなたは、謝りながら私から離れていく。
素早く身支度を済ませ、振り向いたあなたは、もう私だけのあなたじゃない。
「行ってくるから、待ってて。必ずいて。」
私が頷くのを確認して、あなたは部屋を後にした。
あなたの温もりの残る部屋で、あと何時間待てばいいのだろうか…。
寂しさが急に込み上げてきて、さっきとは違う涙がこぼれた。
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「今度は私から好きと言いたい」第3話をブログUPしてあります。
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4話からはあちらで書かせていただきますので、もしよろしければいらしてくださいね。
「今度は私から好きと言いたい」
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ただし、あちらは小説を書く場所なので、画像はありません。
その分、こちらでお話を書くときは、皆様が楽しんでいただけるように、画像を入れてのお話をちゃんと書かせていただきます。
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「あなたを知りたい」蒼月ともえ
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「愛念」蒼月ともえ
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tomoe
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