この辺から、現在の二人と少しずつリンクしていきます。
なんか、お話ばっかりずーっと書いていてすいません。
Mステも死神くんも、VSも、しやがれも、いっぱい書きたいんですけれど、PCに座るとお話を書いちゃうという…なんかそんな感じで…ほんとすいません。
よろしければ、呆れながらでもついてきてくださると、とっても嬉しいです。
以前にアップした、MOREのテキストをもとに書いた妄想小説を、書き換えてお話の中に組み込ませていただきました。
はじめから
妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」①(大野智)
http://ameblo.jp/see-la/entry-11849983884.html
一つ前のお話
妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」14(大野智)
http://ameblo.jp/see-la/entry-11866950936.html
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第15話
「友達」という言葉をあなたの口からきくたびに、出会ったあの日のことを思い出す。
「だから、お前とはもう少しこのままでいたいんだ。」
「俺たち、友達だよな?」
初めて会ったあの日。
あなたが言った言葉の意味を知ったのは、あれから少し先のことだった。
あなたのことを知らなかった私は、あなたの発する「友達」という言葉の意味も、あなたの仕事も、そう深く捉えてはいなかった。
「帰ってきたよ~っ!」
「おかえり。あれ?飲んでるの?」
いつもよりワントーン高い声。
少しだけ赤い顔。
「うん、飲んできたっ!」
飲んで帰ることなんかめったにない。
今日は、何かあったのだろうか?
上着も脱がずに、ソファーにゴロンと横になる。
フーッと息をはいて、目の上に手をのせた。
「どうしたの?なんかあった?」
「ん~?な~んもない!」
何にもないわけがない。
「話したくなったら、話してね。私はずっとここにいるから。」
「じゃあ…もっと近くにきて…。」
あなたの手が、上ってこいよと促している。
私は、あなたの頭のそばにそっと腰を下ろした。
近付けば、匂いだけで酔いそうになる。
どれだけ飲んできたのか…。
「ねえ、大丈夫?」
「だ~め。チューしてくれなきゃ死んじゃう。」
こんなこと言うなんて、本当にどうかしている。
いつものあなたじゃないってことは確かだ。
「オトモダチはチューなんていたしません!」
チューの形にとんがっていた唇が、ぐにゃりと歪む。
「友達か…。」
目の上から手が外れ、赤く腫れた瞳で私を見上げた。
「なあ…お前は…俺の何を見てる?」
酔って赤くなっただけじゃない、どこかで泣いたのだろう。
ぽつぽつと話しはじめる、あなたの声は少しだけ震えていた。
「友達だと思っていた人が、そうじゃなかった。俺を利用するだけして、平気で裏切った。もう誰を信じていいのか分からない。
みんな俺を見ているようで、見ていないんだよ。見てんのは、芸能人の俺。」
「友達と…何があったの?」
「あんなやつ友達じゃねーよ…。」
あなたは、ギュッと唇を噛んで目を閉じた。
苦しいときにあなたがやる仕草。
「私は…最初に会ったとき、あなたがどんな人かも分からなかった。
それでもあなたを信頼できた。
あなたの優しさもあなたの強さも、全部本物だと思う。
あなたの仕事を知った今でも、それは変わらない。
芸能人だからとか、そんなのどうでもいい。私には関係ないことだよ。
ずっと友達でいたいって、そう思っているよ。」
「…本当に?」
「うん…だけど、私もあなたを利用しているかも…。」
「えっ…?」
驚くあなたに視線を合わせて、私はにっこりと笑った。
「利用してる…私が笑うために、あなたを利用してる。」
「…えっ?なに…意味が分からない…。」
「私がこうして笑えるのは、あなたがいるからなんだよ。
あなたがいないと笑えない。あなたがいないと楽しくない。あなたがいないと元気が出ない。
あなたがいないなんて、考えられない。
だから、どんなあなたでもいてくれるだけでいい。
ずっと利用させてね。」
「なんだよそれ…。」
困ったようなあなたの顔。
そんな顔しないでと、私はあなたの鼻をキュッとつまんだ。
「ばか、やめろって!」
あなたの柔らかな心が傷つかないように、つぶれてしまわないように、今度は私が守ってあげる。
あの日、私が受けた傷を「思いも、涙も、全部一緒に引き受けたい。」と抱きしめてくれた。
今度は私が、あなたの想いも傷も、全部引き受けたい。
「私のここ、空いているよ。」
あのときあなたがしてくれたように、私は自分の胸を叩いて言った。
「…お前…それ古いって…。」
「あなたが教えてくれたんだよ?私には、これが最新のギャグだもん。」
「最新かよ…。」
あなたは、私を見上げてふわっと微笑んだ。
切なげな微笑みに、心がキュッと痛くなる。
「だから…来て…。」
「行っていいの?」
私は、戸惑うあなたをそっと抱きしめる。
「友達だったら…この先も、ずっと一緒にいてくれるよね…。」
私の胸の中で、あなたが小さくつぶやいた。
「友達」という言葉をあなたの口からきくたびに、出会ったあの日のことを思い出す。
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この時点では、二人はまだ「友達」です。
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「今度は私から好きと言いたい」第3話、この記事の前にUPしてあります。
http://ameblo.jp/see-la/entry-11837861392.html
4話からはあちらで書かせていただきますので、もしよろしければいらしてくださいね。
「今度は私から好きと言いたい」
http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=1040526&c=n
移動先では、サトシからコウタに名前が変わっています。
よろしければお気軽にどうぞ。
ただし、あちらは小説を書く場所なので、画像はありません。
普通に小説を読みに来る方がたくさんいます。
なので、嵐さんに関してはこちらのブログでお願い致します。
移動先
「あなたを知りたい」蒼月ともえ
http://no-ichigo.jp/read/book/book_id/979420
「愛念」蒼月ともえ
PC http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=984608&c=n
スマホ http://www.berrys-cafe.jp/spn/reader/book.htm?bookId=984608&c=n
「愛念」トップページにある、私の名前をクリック(タップ)すると、ここにしまってある、他のお話も読めると思います。
いつもありがとう。
感謝しています。
tomoe