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妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」30(大野智)

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はじめから


妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」①(大野智)

http://ameblo.jp/see-la/entry-11849983884.html




一つ前のお話



妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」29(大野智)

http://ameblo.jp/see-la/entry-11882146039.html


妄想小説@「好きで好きで、どうしても好きで。」29智サイド(大野智)

http://ameblo.jp/see-la/entry-11882252009.html








こちらのお話も、同時掲載中。


いずれは全文移動予定です。



コメントおよび、かんたん感想など、いただけるようでしたらお願い致します。


かんたん感想は、ログインなしでも押せますので、皆様のご意見いただけましたらとっても嬉しいです。




ひらめき電球「好きで好きで、どうしても好きで。」(蒼月ともえ)
http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=1060025&c=n










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第30話





















こう思うことにした。




私とあなたは、七夕の織姫と彦星で、今だけ一緒にいることができる、そんな関係。




photo:04






時期が来れば、遠く離れてお互いの場所に戻っていく。



そういう運命だったと思えば、きっと大丈夫。









「ん?なんだよ?」



私の視線に気づいたあなたが、こっちを向いた。


目をくりくりさせて、首を傾げるあなたの無邪気な表情にドキンとする。





「ご飯、ついてる。」


「え?どこ?」



「ここに。」

私は、自分のほっぺを指差した。




あなたは、スッと立ち上がって手を伸ばし、私の頬に触れる。

驚いてあなたを見ると、「冗談だよ。」ってにっこり笑った。



photo:01






心は、こんな不意打ちに、猛烈に弱い。

構えていないから、直撃されてしまう。

痺れるような感覚が、頬から全身に伝わって、キュンと心臓を突き刺した。





あなたは何事もなかったように、席に戻ってご飯を食べ始める。






これ以上好きにならないようにするには、どうしたらいいんだろう…。


愛しくてたまらないあなたを、ギュッと心の奥に閉じ込めて、食事に集中しようと箸を取る。





「なあ…。」





「ん?」




「うまいよ、メシ。俺、この卵焼き、大好き。」


次々と繰り出される不意打ちに、私の心臓は、もはやショート寸前。



「あ…うん。」




「ほんと、ありがとな。」


私のそっけない返事に対して、あなたのくしゃくしゃな笑顔。


私のお皿にまで箸を伸ばして、「いい?」なんて聞かれると、ポンコツな心臓はガタガタ、バタバタ煩いぐらいに暴れ出す。


「明日も食わしてくれるよね?」


「あ…うん、もちろん、し、仕事だし。」


「そうだよな…仕事だもんな。うん。それでも、嬉しい。
…じゃあ、そろそろ準備してくるから。」





あなたは、空になった食器を持って立ち上がる。

鼻歌を歌いながらシンクに立つ後ろ姿に、心の中で話しかけた。



…仕事だけど、仕事じゃない。あなたに喜んでもらいたいから、頑張って作ったよ…

そう、言葉に出して言えたら、ポンコツな心臓も落ち着いてくれるだろうか。



「そのままでいいよ、洗わなくていいから。」



「…そっか。ありがとな。」



あなたは、「ごちそうさま」と言ってリビングを後にした。





私は、コーヒーを一口飲みこんで、目を閉じる。




photo:02






自分の心臓の音と一緒に聞こえる、あなたの優しい声。


…うまいよ、メシ。…大好き…



言葉の矢は、ドカンと心を突き抜けていく。


おさまれ…
おさまれ…

私は、胸を押さえて、二回深呼吸した。








パタンとドアが開いて、あなたがリビングに戻ってくる。


「これ。」と言って、封筒を2つ 私の前に置く。



「なに?」



手に取り、中を見れば、お金が入っていた。



「こっちは食費、で、こっちはお前の給料前借り分。」


「前借りって…こんなに、いらないよ。」




びっくりして突き返すと、


「いいから、もっとけ。


それに、これはお前の給料だし、ただであげるんじゃねーよ。

とりあえず、食いもんの調達と、後はお前の着るものとか、身の回りのものとか、買ってくるといいよ。」


と、真面目な顔して、つき返してくる。





言われてみれば、確かにそうだ。


あなたの言うとおり、何にも持っていない。




服も下着も化粧品も、身の回りのものは全部なかった。


「あ…うん。それじゃあ、そうさせてもらっていい?ありがとう。多い分は、あとからちゃんと返すから。」


「ん…まあ、余計なことは、考えなくていいから、とりあえず行ってこいよ。」


私が「うん」と頷くと、封筒の上に数字を書き、ポケットから鍵を出して机に置いた。


「それからこれ、山田さんの番号。
遠くに行くときは、山田さんを呼ぶといいよ。


あと…合鍵。



それから、ここを出るときは、マスクをしていけよ。
俺が渡した携帯も、ちゃんともってな。」



「うん…ありがとう。」


「おうっ!任せとけっ!」


ふざけたように胸を叩くあなたに、心が揺れる。


手を伸ばせば、触れられる距離にいて、もし今、後ろから強い風が吹いたら、それを理由にあなたに抱きつくことができるのに…。







あなたの携帯が鳴った。

マネージャーからだと言う。



「じゃあ、行ってくる。帰りは深夜になるから、夜は食事もいらないし、寝てていいからな。」


「…うん、行ってらっしゃい。」


「ああ…行ってくる。」




そう言ったくせに、全然行こうとしない。

あなたは、私のことをずっと見たまま動かない。



「どうしたの?」




「ん?いや…なんか俺、仕事頑張れそうな気がする。」


「えっ?」


「わかんねーけど、お前がうちにいるって思ったら、なんか、やる気出てきた。」





あなたのはにかんだ笑顔に、胸がキュンとなる。


その髪に触れたくて、指先が動くのを、ぎゅっと握って我慢した。






「じゃ、行ってくる。」



くるりと身体を翻して、あなたは部屋を出ていった。





私の胸は、しばらくドキドキしたまま。

あなたの言葉一つが、私の胸をキュッと突き刺して、動けなくする。



静かになった部屋で、あなたのことを考えていた。

私を信用してくれているのが、痛いくらいわかる。


知り合ったばかりの私を、一人で部屋に置いておくなんて、普通はできるもんじゃない。



私が、泥棒だってこともあり得るのに…。


このままお金を持って、ドロンってこともあるんだよ?



なのに、合鍵まで…。




あんなに多くの人に囲まれて過ごしている人なのに、こんなに純粋なのはなんでだろう。





もっと人を疑った方がいいのに。

信じすぎたら、傷ついてしまうのに。


優しいあなたの心は、綿菓子みたいにふわふわで、やわらかいはずだから…。




photo:03












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こちらのお話も、同時掲載中。


いずれは全文移動予定です。


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ひらめき電球「好きで好きで、どうしても好きで。」(蒼月ともえ)

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ひらめき電球「好きで好きで、どうしても好きで。」(蒼月ともえ)

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よろしければお気軽にどうぞ。



ただし、あちらは小説を書く場所なので、画像はありません。

その分、こちらでお話を書くときは、皆様が楽しんでいただけるように、画像を入れてのお話をちゃんと書かせていただきます。

満足してもらえるようにがんばりますので、どうか、あちらの画像のないことについてのコメントは差し控えていただきますようお願い致します。



また、あちらは嵐さんとも関係のない場所です。

普通に小説を読みに来る方がたくさんいます。


なので、嵐さんに関してはこちらのブログでお願い致します。



ひらめき電球移動先

「あなたを知りたい」蒼月ともえ

http://no-ichigo.jp/read/book/book_id/979420



ひらめき電球「愛念」蒼月ともえ


PC  http://www.berrys-cafe.jp/pc/reader/book.htm?bookId=984608&c=n

スマホ http://www.berrys-cafe.jp/spn/reader/book.htm?bookId=984608&c=n

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いつもありがとう。

感謝しています。





 
tomoe























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