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小説@「独り占めしたい」

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おはようございます。







昨日は、たくさんのコメント、ありがとうございました。




まず、朝の一件。

ケーキ買って、早く帰りました。


おかえりって抱きしめて、朝は怒りすぎちゃったね、ごめんねって、ぎゅーしました。



それから少し話をしました。
転入のいろいろな想いも聞きました。



細かくは書きませんが、そんな感じの夜でした。

ご心配かけてすいませんでした。

また、コメント欄を閉じていたにも関わらず、お声かけありがとうございました。









続いて、小説@「もっと強く抱きしめて。」について。


皆さんのお気持ち、目一杯受け取らせていただきました。


正直申し上げますと、

今の私は、プライベートが落ち着かず、今までで一番疲れているかもしれません。


そんな時にかけられる言葉は、もちろんブログに関わらずですが、

心を優しく癒す薬にもなれば、心を切り裂くナイフに感じることもあります。


非常に敏感で非常に脆い。


だからどうしても、マイナス寄りに考えてしまうことが多くなりますが、

時間をかけて、ちゃんと気持ちを膨らませ、必ず戻ります。



それまで、バタバタした感じの記事が続きますが、ご了承ください。








さて、
それを踏まえての注意事項なんですが、


今日のお話を読む前に、
一つ前の記事の前置きを必ず読んでください。



そして、
再度書かせていただきますが、

なんか違うなーとか、違和感を感じたりしても、
コメントには残さずに、どうか心の中にしまっておいてください。



画像も名前も違えば、

なんか寂しいってのも、
なんか違うってのも、

書いてる私も、充分感じています。



でもね、

思いっきり書きたくても
キャーキャーなテンションで書きたくても、

できない現実があります。


それは、ブログを続けてきたこの2年弱で、たくさん感じてきたことです。


具体的に言えば、
批判を一人で受け続けて行くには、限界があるということです。



今は、ストレスなく楽しくお話を書けて、出来るだけ長く続けていくことが、私の目標です。


ブログはボロボロですが、最後の最後まで
できることは全部します。


今の私には、これがギリギリの選択です。


どうか、どうか、私の想いを察していただき、
そのままのお話を受け入れていただけると、非常に有難く思います。


いろいろな意見があるのは、重々承知の上です。


ですが、どうか、どうか、これでご容赦願います。













………………………















「奏(そう)ちゃんは、なんで、私といるの?」



「…ん?どうした?いきなり。」


奏ちゃんみたいな人気者が、なんで私なんかの隣にいるのか、不思議でならない。





「このおたふく顔を、気に入ってくれたの?」


「お、おたふく?…違う違う…おたふく好きだけど…それだけじゃねーな。」



「じゃあ…性格?」


「…う~ん…それもあるけど…。」




奏ちゃんは、右手をおでこに当てて、笑いを堪えているみたい。


こっちはいたって真剣。
大真面目に聞いてるのに。


「じゃ…じゃあ…カ、カラダ?」


「ぶっ!ははははははっ!」


奏ちゃんは、お腹を抱えて大爆笑。


そりゃ、奏ちゃんが初めての私が「カラダ」なんて聞くのは、可笑しいかもしれないけど…。

それにしても、あんまりじゃない?




「笑いすぎだよ!もうっ!」


「だって…聞くか、普通?」



奏ちゃんは、私を腕の輪っかの中にいれて、おでこをコツンとぶつけた。


「…じゃあ…なんでなの?」




「じゃあ…お前は、なんで俺なの?」



「…なんでって…全部…。」

「全部って?」


奏ちゃんの腕の輪っかが狭くなり、私との距離がぐっと近づく。




「ぜ、全部だよ。顔も、性格も…全部…。」



「ふーん…。」



唇が触れるほど近づいて、私の瞳をぐっと覗き込む。

こういうときの、奏ちゃんの目ヂカラは半端ない。

さすがというべきか。



「ほ、ほんとはね…奏ちゃんに、急に引き寄せられたっていうか、いきなり好きになったから…なにがどうとかじゃなくて…

だから、なんでって言われても…何が何だかわかんない…。」




奏ちゃんは、私の髪をひと束掴んで、ゆるく引っ張った。


「お前のことは、俺が無理やり引き寄せた。こうやって、ぐい~って。」



「もう、何言ってんのよ。」


「ほんとだよ。お前を見つけたのは、俺が先だから。」



「えっ?」




奏ちゃんが本気のときは、瞳の中に星がきらめく。

だから、嘘はすぐバレる。





「保育園でさ…子供にまとわりつかれてる、お前を見た。」


「保育園で?」


「うん、ロケ先の…隣の保育園。待ち時間に車の中からずっと見てた。」



「そんな話、全然知らない…。」



すると突然、奏ちゃんが、ふざけて私の服を引っ張った。




「え?な、なに?」


「ふふふっ、あんときも、こんなふうに子供たちに手も足もエプロンも…みんな引っ張られて…お前、めっちゃ人気者だった。」



奏ちゃんの澄んだ瞳がくしゃっとつぶれて、目尻に優しいシワが現れる。


「…そんな…い、いつの話…?」


「もう、5年ぐらい前かな…。」





驚いた。
5年も前の話だなんて。


あのころは、働き始めたばかりで、毎日必死だったから、
奏ちゃんはおろか、テレビすらろくに観ている時間がなくて…。



「声なんかかけられるわけねーし…なんとなくな…それっきりだったけど…。

…でも、お前、俺のライブ来ただろ?」



「う、うん…先輩の付き合いで…。」



仕事に悩んでいた私を、元気が出るからって、
先輩が連れて行ってくれたライブで、奏ちゃんを初めて知ったんだった。



「俺、お前見つけてさ…びっくりした。

つか、お前、興味なさそーにしてたよな、最初。」



「あ…え?…み、見てたの?…だ、だってあんまり、その…仕事忙しくって…テレビとか…観てなくて…ごめん…。」


「はははっ、いいんだよ、それで!

俺、だからさ、お前にこっち向いてもらいたくて、いっぱい手ぇ振って、バンバン指さしたんだぜ?覚えてる?」



奏ちゃんが、手を振っていたのは覚えてる。
だけど、あの広い会場のみんなに振っていたんだとばかり…。


けれど、指をさされたときは、ドキッとしたのを覚えてる。

射抜かれた…と思った。




「…うん…覚えてる…私?って思って…。」


「びっくりした顔で見返すお前がおかしくてさ。

そのあとすぐに、釣竿投げて、お前を釣って引き寄せた。」





奏ちゃんは、あのとき私にしたように、すぐそばで釣竿を投げる振りをする。

今ではそれが、奏ちゃんの大好きな釣りだってひと目でわかる。




「あ、うん…あのとき、あれ、なにしてんのかわかんなくて…。

でも、なんか…あのときから…急に…。」



奏ちゃんは、腕の輪っかをぎゅーっと狭めて、私を強く抱きしめた。



「そうだよ、わかった?

俺が、お前を引き寄せたの。人気者のお前を、どうしても独り占めしたくて。」



人気者の私を独り占めって…?




「もう、それから会いたくてたまんなくなって、

一度は諦めてたんだけど、お前の顔見たら、どうにもなんなくて。

すぐ次の日保育園に行ってさ、お前をずっと見てた。


子供に囲まれてるお前見てんの、大好きなんだよ、俺。



{6DD2BFCC-213F-4572-B062-DC97940A7B41:01}



そんで、仕事が終わるのをずーっと待ってた。」





「声かけられたとき、すごくびっくりしたもん。」


「偶然を装うの、マジで苦労したんだからな?俺、嘘つくの苦手だからさ~。」



奏ちゃんの瞳に嘘はない。

そこからはじまって、今に至るわけで…。



「それでもなんか、今も嘘みたいで…私なんかのどこがって、奏ちゃんを知れば知るほどいつも思うんだよ。

こんな人気者の奏ちゃんが、なんで…って。」




「まだ言う?

俺からしたら、お前の方がめちゃめちゃ人気者に見えるんだけどな。

あのちびっこたちに、悪いな~って、いつも思う。ほんとは、みんなのお前なのに、こうして俺だけ、お前を独り占めしてんだもん。」




「…。」



「つい最近も、お前、ちびっこたちにプロポーズされてたもんな。『せんせーとけっこんするー』て。

あいつらに、俺、なんて言われるか…今からこえーよ。」



「…聞いてたの?」


「子供の声はでけーから、外からでも良く聞こえる。」



「…何回来てんのよ、保育園に…。」



「…行くだろ?そりゃ、ライバルいっぱいいるし。」



忙しいくせに、なにしてんだか。

よくわかんないけど、涙がポロポロこぼれてくる。
奏ちゃんの、こんなところが、たまらなく好きだ。





「あいつらに、返事してねーよな?」


「…返事?」



「プロポーズの。」


「えっ、あ…いいよって言っちゃった。」








「マジでか。お前…明日すぐそれ、取り消してこいよ。」



「…なんで?」






「…先生は、結婚する人が決まってるからって。」



「…えっ?」




奏ちゃんは、腕の輪っかを緩めて、涙でぐちゃぐちゃな私の顔を覗き込む。








「…俺と、結婚しよ。



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これから先も、お前の全部をずーっと独り占めしたいから。」












それは、奏ちゃんが、最初に私を見つけてくれてから、10年後の春でした。


















~end~


……………………









昨日とは違うテイストのものですが、楽しんでいただけてるでしょうか?



相葉ちゃんドラマもまだ観られておりませんが、

私には、お話を書くことが、良い気晴らしです(^^)






今日も素晴らしい一日を!






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