Quantcast
Channel: Blue Moon
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

妄想小説@続「愛念」⑧

$
0
0






こんばんは。



えっと…先に謝っときます。


ごめんなさい。



寝られない方もいらっしゃったようで…ほんとスイマセン!(´Д`;)


あの…読むのが辛い方は…飛ばしてくれていいですからね…?

ほんと、無理しないでくださいね。


できるだけ、早く次を読めるように努力いたします。




前記事、「愛念」⑥には、ほんっとにたくさんのコメント&メッセージをありがとうございました。


内容について、皆様からいろいろご意見をいただきました。

ほんとにありがとうございます。


全て受け止めて、この後も心して書かせていただきますので、よろしければどうぞ最後までお付き合いくださいませ。







妄想小説@「愛念」①はコチラ


http://ameblo.jp/see-la/entry-11557388231.html



初めていらした方は、第一話から読んでみてくれると嬉しいです(´∀`)








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






カレー…無駄になっちゃった…


先輩からのメールを見てつぶやいた。

一人では食べる気がしない。


たっぷり作ったカレー。

シチューは足らなくなったから、今度はたくさん作った。



だけど…


誰にも食べてもらえない。

切なくなって蓋をした。





ここには、友達もいない。


この部屋しか知らない。



一人でここまで来たけれど、先輩がいなければ何もわからない。


急に孤独感が襲ってくる。

自然と溢れだす涙に戸惑っていた。





先輩から言われた言葉。


…好きでもないやつと、そういうことすんのかよ…



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image


確かにそうだ…

そう思われてもしょうがない。



なんで…付き合ったりしたんだろう…

なんで、キスなんかしたんだろう。


私のこと、汚いって思ったよね…

だらしない女だって…思ったよね…



朝、目を合わせてくれなかった先輩。

いつもの優しい笑顔も、なかった。



…もう…見るのも触れるのも、嫌ってこと…?






Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説




昨夜、


真っ暗な部屋に残された私は、なかなか寝付けなかった。


辛い。

苦しい。


辛くて辛くて、苦しくて苦しくて…

身体を丸めて泣いていた。



自業自得。

自分のせいだと分かっていても、どうにもしようがなかった。



真っ暗な部屋は、怖かった。



自分のしたことに、恐ろしいほど後悔した。

愛する人を悲しませた自分。


自分の愚かさを恥じていた。







どのくらい時間が経っただろう。


眠れなくて、リビングのドアを開けた。

もう一度先輩と話したかった。



部屋は真っ暗。

ゆっくり歩いていけば、転がる缶を蹴とばした。


それを拾ってソファーに近づけば、先輩が眠っていた。




その表情は辛そうで…

時折、小さく唸っている。


額に滲んだ汗を拭った。

嫌な夢でも見ているの…?



私は、寝室からタオルケットを持ってきて、先輩の上にそっとかける。


このままここにいたい。

けれど、嫌がられるようなことはしたくない…


想いを振り切って、寝室に戻った。




そして、一睡もできずに朝を迎えた。















カレーの匂いが漂う部屋に私は一人。



好き…


でも、それだけじゃない。

大切で守りたくて…先輩が笑顔でいてくれたら、それでいい。


私と一緒にいたら、先輩から笑顔が消えてしまう。

それだけは嫌だ。



こんなところまで押しかけてきて、先輩を苦しめてしまった。


なんて馬鹿なことをしたんだろう。





私は、ゆっくりと部屋を歩いて回る。





キッチン。

あの日のように、抱きしめられて嬉しかった。

先輩がおいしいって言ってくれるように、シチューを頑張って作ったっけ…



寝室。

初めて愛してもらった場所。

先輩の胸の中は温かくて…こんなに幸せだと思ったことはなかったな…



リビング。

ここで何度もキスしたっけ…



それから、このソファー。

これを見ると、なんだか恥かしい。



先輩の言葉も表情も、鮮明に思い出せるから。

「じゃあ…俺がどんなにナナのことを好きか…教えてやるよ…。」



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image





そうして、苦しいほど強く愛された。

求めてもらえる喜びに、涙が止まらなくて、先輩を困らせたっけ…




広いリビングの一角に、先輩のデスクがある。

書きかけのデザインが、机のあちこちに散らばっている。


これは…魚のモチーフ…


こっちは…お花がたくさん重なって…ああ…大きなハートになっているのね…




昔から変わらない繊細な描写。

洗練された色彩。


根底はあのころと変わらない…だけど、より進化していて圧倒される。



先輩はやっぱりすごい。

それに比べて、私には何もない。



書棚にはたくさんの本が並ぶ。

ディスクや書類も無造作に積んであった。


そのうちの一つを手に取ろうとして、バサバサと本の山を崩してしまった。

私は急いで、本や書類を戻していく。




あ…これって…



指先が、それを拾うことを躊躇する。


一枚の写真。



笑顔の先輩。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image



そして、すごくきれいな女性。


寄り添って写る、ツーショット写真。


写真の裏を見れば、「大好きな智へ」と書いてある。



ドキンと胸が鳴った。

見てはいけないものを見た気がして、写真を書類の隙間に差し込んだ。



ドキドキがおさまらない。


きれいな人だった。




…彼女…だよね…

大好きな智へって書いてあったもん…


そんなの、当たり前のこと。

いて当然だよ。


いて当然…か…

あんな素敵な人、ずっと一人なはずなんてない…



止まったはずの涙が溢れだす。


自分の全部が負けていた。

きっと、比べているだろう…




あんなきれいな人がいるのに、なんで私なんかと…


もう…立っていることさえ苦しい。



心が悲鳴を上げていた。

助けてって、苦しいって叫んでいた。




私は、この数日の思い出だけで充分…



先輩…

あの写真の笑顔のように、毎日笑っていてね。


私の願いはただ一つ。

先輩が、いつも笑顔でいてくれることだから。






私は荷物を片付け、先輩の部屋を後にした。














Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説





「智!何してるの?こんなところで!」


名前を呼ばれて飛び起きた。



「あ、お前…なんでここに?」


今は会社の同僚。

こっちに来て…数カ月だけ付き合った彼女がそこにいた。




「仕事の帰りよ。智はもっと早く帰ったはずでしょ?」


「ああ、ちょっと考えごとしてた。」




そんな話をしていると、雨がポツポツと降り始め、途端にどしゃ降りになった。


「わっ、何だこの雨!」



「智、傘は?」


「あるわけねーよ!」


「じゃ、貸すから、とりあえずここに入って!」






そうして、久しぶりに訪れたこいつの家。


「ほら、これ使って。」


玄関でタオルを渡され、身体を拭いた。


「とりあえず上がって。今なんか温かいもの用意するから。」



ナナの顔が頭をよぎる。



「なにしてんの、風邪ひくよ!」


そう言われて、手を引かれる。



ああ、そうだった…

こいつと付き合ったときも…こんな風に手を引かれて…





ナナを忘れるためだった…



日本から逃げるようにこっちに来た。

それでもナナを好きで、ずっと苦しくて…


そんな矢先、こいつが現れて…




ナナを忘れるために…いや、ナナの代わりに抱いた…






Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説



窓の外は激しい雷雨になっていた。


「当分、帰れそうにないね…」



「ああ…そうだな…


立ったまま、窓辺で雨の降る様子を眺めていた。





「智…


突然、後ろから俺の首に回される腕。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説


「いいよ…抱いても…








俺はまた、同じことを繰り返そうとしていた…













Viewing all articles
Browse latest Browse all 2401

Trending Articles