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妄想小説@続「愛念」⑭(大野智)

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一つ前のお話:妄想小説@続「愛念」⑬はこちら


http://ameblo.jp/see-la/entry-11586577805.html




妄想小説@「愛念」①はコチラ


http://ameblo.jp/see-la/entry-11557388231.html



初めていらした方は、第一話から読んでみてくれると嬉しいです(´∀`)






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部屋に戻って、ソファーに座る。



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image





なんとなく体がだるくて、そのまま横になった。


ちょっとはしゃぎすぎたかな…

少しだけ眠ろう…


そう思って、目を閉じた。






…ナナ…俺さ、お前の元彼に嫉妬してたんだ…



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image


自分に自信なんかなくって…お前との関係が壊れるのが怖くて…

好きだなんて言えなかった…


あの写真の彼女は…そんなんじゃなくて…

いつも…悲しませてごめんな…







夢を見た。


先輩が私に話してくれたことが、次から次へと浮かんでくる。





「ナナ!」


呼んでる?


「ナナ、大丈夫か!?」


先輩の声がする。

私はゆっくり目を開けた。


「お前、どうしたんだよ!」


先輩が、怖い顔で私を見ている。


「すごい熱じゃないか!なんで連絡しなかったんだよ!」


ああ、私熱があるのか…

だからなんか、身体が熱く感じたんだ…


「…先輩…仕事は…?」


「今帰ってきたんだよ、もう夜だ。わかんないのか?」


ああ…もう夜なんだ…

ずっと寝てたのかな…


「すぐに病院に連れてってやるからな!」




私を抱きかかえようとする、先輩の手を制した。


「…いいですから…ここに…いてください…。」


「お前…何言ってんだよ?」


「大丈夫…すぐ…直りますから…ここに…いて…


私は、先輩の腕を掴んでいた。

離したくなかった。


「…分かったよ…でも、少しでも悪くなるようだったら、すぐに病院に行くからな?」


「…はい…


先輩は私を抱き上げ、ベッドにおろした。

手に持っていた薬を私に飲ませて、ふうっと息を吐いた。



「…ここに…


先輩がそっと隣にきてくれる。


「大丈夫、ちゃんと隣にいるからな。」



私の髪をなで、身体を優しく包むように抱きしめてくれる。

先輩の腕の中は温かくて、安心できた。



「ナナ…ごめんな…無理させちゃったな…


「…いいえ…謝らないでください…



熱で息が上がっている私を見て、先輩が言う。


「俺が変わってやれたらいいのに…


そうして、顔を傾け唇を重ねようとする。

私は、顔を避けて言った。



「ダメです…うつります…



「うつせよ、全部、俺に…



Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説-image



そうして、ゆっくりと唇を覆われる。

いつもとは違う、優しく包み込むようなキスだった。




「…ダメ…


顔を横に背けて、キスから逃れた。


「…分かった…ごめんな…お前がきついときに、何してんだろう、俺…


そう言って、悲しげに私を見つめる。




「俺、お前に何してあげたらいいんだ?全然わかんなくて…。」


「…そばに…いてくれるだけで…いいです…


「でも…それだけじゃ…俺が嫌なんだよ…。」


「…じゃあ…手、繋いでてください…


私が手を出すと、先輩はギュッと握ってくれる。



「他に…俺になんかできることはないか?」


「もう…十分です…ありがとうございます…



先輩が私を、強い瞳で見つめてくる。


「やっぱり…キス…しちゃダメか?」


「…ダメです…うつります…


「…いいよ、うつせよ…


「ダメです…




「…黙って…


「…ダ…っ…



先輩は、ゆっくりと何度も口づけた。

今度は私が唇を外さないように、そっと手を添えている。


熱…もっと上がっちゃうよ…

先輩の…ばか…



汗びっしょりだ…

熱と、先輩とで、身体が熱くてたまらない…


「服…着替えさせてやるからな…




先輩のパジャマ。

とってもおっきい。


「お前、こんなちっちゃいのか…


先輩が、自分のパジャマを私に着せながらつぶやいた。


「守ってやらなきゃな…お前を…



そうして、最後のボタンをかけ終ると、私の上にそっと重なった。


重くは、ない。

私には、体重がかからないようにしてくれている。


「早く治ってくれよ…お前が元気ないと、俺、寂しいからさ…



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潤んだ瞳で見下ろされ、私は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「ごめんなさい…


「なんで謝るんだよ…悪いのは俺の方だよ…ごめんな…ナナ…


先輩は、切ない瞳で私を包む。

ゆっくりと降りてくる唇に、今度は抵抗などできなかった。




熱で頭がおかしくなったのか…

先輩の優しさに甘えているのか、わからない…


無意識に発していた言葉。

普段の自分じゃ、考えられない…




「…治してください…


「ナナ…?」


「先輩が…治して…


私の言っている意味を瞬時に理解した先輩は、私をゆっくりと引き寄せた。


「分かった…ナナは寝てるだけでいいから…





先輩はそう一言だけ言って、布団の中に姿を消した。


いつもよりもゆっくりとしたペース…

私を気遣ってくれているのが分かる。



先輩…私ね…

…どんな時でも、もう先輩なしではいられないみたい…


熱よりも何よりも、あなたを好きな気持ちに勝るものなんか何もない。





緩やかに昇っていく。

ゆっくり…そう、ほんとにゆっくりと…


あなたに手を引かれ、私は昇っていく。


いつもあなたのそばに…

どんな時でも、あなたに触れていたい。



私は、先輩の腕をギュッと掴んだ。


「大丈夫?」


「…はい…


そう答えて…その後の記憶は途絶えていた。




Blue Moon~大野智~ 嵐×妄想小説











朝、目を覚ませば、すぐに先輩と目が合った。


「大丈夫か?」


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そう問う先輩の目は、ほんとに優しくて…

心がキュッと音を立てる。


「寝てる間に体温測ったら、すっかり下がってたから。」


そう言って、私の頭をポンポンと叩いた。



「荒療治が効いたみたいだな。」


あ…

昨夜のことを思い出す。

急にものすごく恥ずかしくなって、布団に潜りこんだ。


「あ、なんだよ、ナナ~っ!出てこいよ~っ!」


甘い声で私を呼ぶ先輩。

あ~、やめて~、恥ずかしいよ。




「ナナ?」


先輩も布団に潜りこんできた。

薄暗がりの布団の中。


先輩のおでこが、私のおでこにコツンとぶつかる。


「下がってる…良かった…ほんとに…


そう言って、手探りで口づけを交わす。

布団の中で先輩が言った。



「今日はもう…思いっきりしてもいいよね?」



そう囁かれて、頭が爆発しそうになる。

そのまま先輩は、私の耳元で囁き続けた。


「今日は○○しよう、○○もしたいし、○○だってしてみたいし…ふふふ…


頭にドバっと血が昇ってくるのが分かる。


もー、わざとそんなこと言って!

私は居たたまれなくなって、ガバッと起き上がる。


「もー、先輩のエッチ!何にもしませんから!!!」



そう言って、布団から出ていこうとした私の腕を思いっきり引っ張って、勢いよくベッドに倒された。


「じゃあ、ナナはどんなことしたいの?」


上から見下ろされて、そんなこと聞かれて…

もう心臓がバクバク音を立て始めた。




「俺に、どうしてもらいたい?」



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あ…先輩…そんな瞳で私を見ないでください…

…また熱が出ちゃいそうです…



「言ってよ。」


「あ…



「早く…


「えっ…ぁ……言えません…



「…言えないようなこと?」


「あ、いや、違いますっ!」


「じゃ、何?」





「…私は……



「…そっか。」


そう言って、私の髪をクシャっとかき回した。




「分かった、今夜な。」








先輩は今日もはじけるような笑顔で、部屋を後にした。


きっと今夜も飛ぶように帰ってきて、私を抱き上げてくれるんだろう…

そして…





私は、窓から空を見上げた。


今日の空も深く青く澄んで、どこまでも広がっていた。



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次、最終回です。

アップは夕方以降になります。


よろしくお願い致します。


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